◆あれ、タバコの箱がない…!すっとぼけて無銭飲食を試みる常習犯
さらにタチが悪いのは、最初から“タダ飯”を企んでいる客だ。「うちの店は明け方まで営業しているんですけど…」と語り出したのはスナックで働く川村由紀子さん(仮名・35歳)
「ある日、50代くらいの男性客が一人でふらりと店に入ってきました。周りと談笑して普通に飲んでいたのですが、会計の時になって突然『タバコがない!』と騒ぎ始めたんです。
話を聞けば、お金を入れていたタバコの箱を紛失したから払えないという。その不自然な言い方に、川村さんはすぐ怪しいと感じた。
「なんだか怪しいなと思ったんですけど、本人が『ツケにして』と言い張るので対応するしかないのかなと判断に迷いました」
◆常連客の一言で事なきを得る
その時、救世主となったのは常連客だ。「その男性と話をしていた他のお客さんがピシャリと言ってくれたんです。『いや、あなた最初からタバコは持ってなかったし、出してもなかったですよ』と。どうやら同じ言い訳で店を点々とする常習犯だったみたいなんですよね。どう対処しようかと悩んでしまいましたが、『これを許したら他の人にもそうしないといけなくなるのでダメです』と断りました」
最終的に店は毅然と断り、その男は出禁に。
「もしあの時、常連さんが指摘してくれなかったら、なし崩し的にツケを認めていたかもしれません。本当に助けられました」
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セクハラ強要オヤジに横柄な態度のサラリーマン、ツケ狙いの常習犯。形は違えど、現場で働くスタッフにとってはどれも迷惑でしかない存在だ。
現場で泣かされるのは時給1000円ちょっとで働くスタッフたち。客からの理不尽な要求にさらされ、時にはトラウマになりかねない。
客と店という関係性ではあるものの、驕ることなくお互いに気持ちよく接する余裕を持ちたいものだ。
<TEXT/おせりさん>
【おせりさん】
下北沢に住む32歳。趣味はポーカーとサウナ、ホラー映画鑑賞。広告代理店・制作会社を経てフリーランスのブロガー兼ライターに。婚活ブログ『アラサー女の婚活談義』と生きることをテーマにした『IKIRU.』を運営中。体験談の執筆を得意としている。X(旧Twitter):@IKIRUwithfun

