おなじみTABFが今年も開催!

“TABF”の通称でおなじみの「TOKYO ART BOOK FAIR」は、独創的なアートブックやZINEを制作する出版社、ギャラリー、アーティストが国内外から一堂に集うイベント。
会場にはさまざまなアートブックやカタログ、個性豊かなZINEが勢揃いするので、本を手に取って眺め、展示を見ると新たな発見と出会うことができる。また各ブースでは、アーティストや出版社の人と直接交流しながら書籍を購入することができるのも魅力だ。
「ゲストカントリー」ではイタリアの出版文化を紹介
TABFでは、2015年からひとつの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する「ゲストカントリー」という企画を実施している。第9回目を迎える今回は、「イタリア」をフィーチャーする。

たとえば、1966年から1977年にかけての社会運動・芸術運動・政治運動を背景にイタリアで制作された新聞や雑誌、パンフレットなどを収録した作品集『YES YES YES Revolutionary Press in Italy 1966-1977』について、展示を通して紐解いていく。
その後、社会・政治運動の高揚期を経た1978年から、今ほどインターネットが普及していなかった2006年にかけて刊行されたイタリアのZINEを批評的に紹介する『OUT OF THE GRID: Italian Zines 1978-2006』にも着目。イタリアにおけるインディペンデント出版の歴史を辿っていく。


さらに、イタリアのデザインにおける企業と出版の関係性を切り口に集めた書籍の展示「Marchette」に加え、ブルーノ・ムナーリ、エンツォ・マーリ、エットレ・ソットサスらの絵本を多数刊行する出版社Corraini Edizioni(コライーニ・エディツィオーニ)による展示も行われる。
Corrainiの展示では、本そのものやその一部を拡大して再現されているので、物語の中に入り込んだような体験を楽しむことができる。
