心折れて1年で病院を去った私が、保育園で見つけた“看護師としての居場所”

心折れて1年で病院を去った私が、保育園で見つけた“看護師としての居場所”

心折れて1年で病院を去った私が、保育園で見つけた“看護師としての居場所”_KV

新卒で念願の看護師として働き始めたものの、想像を超える過酷な業務により1年で退職を決断したYさん。看護師として十分な経験を積めていないなか、次の職場が見つかるか不安な日々を過ごします。

迷いのなかでたどり着いたのは、大好きな子どもと関われる「保育園看護師」でした。なぜ短期離職を決断し、看護師という仕事を続けたのか。これまでの葛藤と現在の思いを聞きました。

看護師Yさんの経歴

病院で直面した看護師のリアル

──まずは看護師になろうと思ったきっかけを教えてください。

Yさん:小学校高学年のころ、祖母が病気で入退院を繰り返していました。よくお見舞いに行っていたのですが、病院の看護師さんの態度がすごく冷たく感じたんです。

「なんで笑ってもくれないんだろう……」「病気でつらい思いをしている人に、追い討ちをかけないか」と、子どもながらに疑問を感じました。

その疑問が「自分だったらどう接するか」を考えるきっかけになり、優しく寄り添えるような看護師になりたいという思いへと変わっていきました。中・高と進学してもその気持ちはぶれず、地元を離れ看護大学に進学しました。

──小学生のころからの夢だったんですね。学生時代はどのように過ごしていましたか?

勉強ばかりしていて、人生で一番戻りたくない時期です(笑)。とくに4年生のときの実習がつらく、朝7時から16時くらいまで看護師の補助業務、帰宅後は夜中の2時まで記録と予習、睡眠時間は2時間がやっとの日々でした。

──ハードでしたね……。無事に看護師免許を取得できてなによりです。新卒の入職先は通っていた大学と縁のある病院だったんですか?

いえ、学校系列ではありませんが、大学から見える場所にある総合病院で親近感がありました。複数の診療科があるので、さまざまな経験が積めるのではと思い希望しました。

──入職後はどのような科に配属されたのでしょう?

子どもが大好きだったので、小児科を第一希望にしていたんですが、希望者が多く入れず、第二希望だった救急科に配属となりました。そこでは、老若男女がさまざまなケガや病気で運ばれてきたので、毎日緊張感がありました。

交通事故による重症者、心肺停止状態の人、がん末期の患者など本当にさまざまでした。なかには教科書にわずか数行くらいしか載っていない難病の人もいましたね。

──新卒で入ったときは、どのようなキャリアを思い描いていましたか?

せっかく救急に入ったので、ドクターヘリにも乗ってみたいなと思っていました。また、認定看護師などの専門資格の取得を目指しつつ、いずれは小児看護に関わりたいと思っていました。年下のきょうだいがいるわけでも、周りに小さい子がいたわけでもないんですが、なぜか昔から子どもが大好きだったんです。

当初はこんなキャリアを思い描いていましたが、現実はそううまくいかず……。

──何があったのでしょう?

日勤のあとも採血の練習や記録で残業が7時間に及ぶ日もあり疲れ切っていました。病棟に運ばれてくる人の症状や病気がさまざまなので、先輩への質問や勉強する負担も大きかったです。さらに、同期の1人がとても優秀で、私より早く夜勤担当や独り立ちしていく姿に、だんだん病院に行くのがつらくなっていったんです。

そしてある日、先輩から私に「まだYさんには夜勤は任せられないよね」というLINEが届いたんです。恐らく送信先を間違えたんだと思いますが、それを見て本当にショックで……。それからも出勤はしていましたが、業務中に涙が止まらなくなって、早退させてもらったり、休んだりするようになりました。

──周りに相談できる人はいましたか?

看護師長や2年目の先輩、お子さんのいる先輩にはとても優しく接していただき、つらいときはご飯に連れて行ってもらいました。一方で、辛口の先輩からは私と同期を比較されたり、「1回手本を見せたのに何でできないの」「勉強してきたの」など強く言われたりすることもあり、徐々に「ここにいてはいけないんじゃないか?」と考えるようになりました。

次第に、当たり前のようにできていた点滴準備ですら、何をどうしたらいいのかわからない状態になり、精神科を受診したところ「うつ状態」と診断され、休職することになりました。大学では精神看護を専攻していたので、心のケアについて学んでいたはずなのですが、いざ自分のこととなると全く気づけなかったんです。

──休職中はどのように過ごしていたのか教えてください。

当時はコロナ禍だったので、ほとんど自宅で過ごしていましたが、たまに近所の公園に行ってぼんやりしていました。休職した1ヶ月の間、職場に戻るか考えましたが、結局戻っても状況は変わらないと思い、入職から11ヶ月目に退職を決意しました。

インタビューを受けるYさん

“小児看護へのかかわり”を軸に転職活動

──どのように次の職場探しを進めたか教えてください。

病院の寮を出てからは、実家が地方だったので帰らず、友人宅に身を寄せました。転職サイトを使って、小児看護にかかわる2つのクリニックを受けました。ところが、どちらも落ちてしまい、経験不足を感じて落ち込みました。

エージェントに相談したところ、保育園看護師の存在を知り、応募してみることにしたんです。3つ目に受けたいまの勤務先でようやく内定をもらうことができましたが、1社ずつ受けていたため半年くらいかかりましたね。

──どのような園から内定をもらったのでしょうか?

立ち上げから2年目の小規模保育園です。面接では園長先生やほかのスタッフの雰囲気の良さを感じ、とても丁寧に接してくれたのが印象的でした。また、現場経験10年以上のベテラン保育士が多くいたので、保育未経験の私でも安心して学べそうだと感じました。

──保育園看護師として働くにあたって、事前に勉強や準備はしましたか?

面接で保育士と変わらない動きをすると聞いていたので、YouTubeやLINEのオープンチャットで保育士さんの一日の業務を確認しました。

ただ、保育園看護師は各園に1人くらいしか配置されていないので、業務内容がわかりにくいんです。なので、実際の看護業務については不安が残るまま入職しました。

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