◆反米独裁国家ベネズエラの実態とは
ベネズエラは、石油産油国である。先代大統領のウーゴ・チャベスは、反米姿勢が鮮明な独裁者で知られた。内政では憲法改正を繰り返し、「ベネズエラでは憲法とはチャベスの命令の意味しか持たない」と評された。もちろん、親露親中。資源外交で荒稼ぎ、背伸びして反米的言動を繰り返していた。チャベス死後の後継者が、腹心だったニコラス・マドゥロ。チャベスに輪をかけた反米政治家。それでいて経済政策が絶望的にデタラメ。ベネズエラ経済をハイパーインフレに追いやった。インフレ率最大時268万8670%。今は収まって、200%。
昨年の大統領選挙では、野党の有力政治家のマリア・コリーナ・マチャドを立候補辞退に追いやって当選したので、正当な選挙ではないと国際社会から非難されている。
以上の背景があって、トランプ政権は硬軟取り交えた、時に武力制裁も含めた攻勢をベネズエラに対して強めている。
トランプ政権は、「ベネズエラが麻薬と囚人をアメリカに送り込んでいる」として、ベネズエラ船を麻薬船として攻撃、死者も出ている。
専門家筋は、もはや本格的武力行使を、いつ始めて、どこまでやるかだけが焦点だと看做している。
◆地上軍動員は本気の武力行使の前段階
この二か月のニュースを並べるだけでも……。トランプ大統領は、麻薬密輸組織との戦いをCIAに指示。地上軍も動員した。空爆だけなら限定戦争だが、地上軍動員は本気の武力行使の前段階だ。展開された地上軍の中には、ウサマ・ビン・ラディンを暗殺した特殊部隊も含まれていると報じられている。空母も派遣、カリブ海全域で海軍力空軍力を増強している。
対するベネズエラも中露に支援を要請。しかし両国とも海を渡ってベネズエラを助ける為に戦争してくれるわけではない。中南米でベネズエラは孤立を深めている。
マドゥロは自らの亡命を提案した(つまりそれで許してくれと)とも言われるが、トランプが許さなかったとも伝わる。
このように事態は緊迫している。

