
◆決してやんちゃな人物ではない
高2で妊娠、そのまま出産を迎えたと聞けば、勝手に“やんちゃな過去”を想像するが、少女時代のフジコちゃんは反抗期もないような至って従順な子どもだった。「我が家は教育熱心で、いろいろな習い事をさせてもらいました。エレクトーン、習字、そろばん……今は泳ぎが苦手なのですが、実は水泳もやっていたり。とにかく両親の『何でもやらせてあげたい』という思いを感じていましたね。それに対して特に反抗することもなく、こなしていたほうだと思います」
フジコちゃんさんはきょうだいのなかでは“お姉ちゃん”。その重圧も少なからずあった。
「母からは、頻回に『お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい』という声がけをされていたと思います。私自身も、長女としてしっかりしなければという思いがありました」
◆今でも覚えている「とある一日」

「門限がないのは、学校から直帰するのが当たり前だからです。寄り道をすることは許されていなかったので」
だが高校1年生のある日、突然魔が差した。友人に誘われ、ファーストフード店に行ってしまったのだ。当然、帰宅時刻が遅れることで寄り道が両親、殊に厳しかった母親の知るところとなる。
「自分でやったこととは言え、恐ろしくなってしまって。自宅近くの公衆電話から、家に電話をして謝罪をしようと思ったんです。すると、電話口から母が『うちに娘はいません』と言い放ちました。その声で、いかに母が怒っているかを知って、一層怖くなったんです」

