介護報酬は2026年度から「月1万円の賃上げ」。異例の臨時改定を専門家はどう評価する?

介護報酬は2026年度から「月1万円の賃上げ」。異例の臨時改定を専門家はどう評価する?_KV

異例の介護報酬改定前倒し

政府は11月21日、介護職などの賃金を2026年から月1万円引き上げる方針を決めました。物価高騰への対応を柱とする総合経済対策の一つとして、通常3年ごとに改訂される介護報酬について、賃金に関する内容を臨時改定します。

従来、介護報酬の次の改定は2027年度を予定していましたが、今回の決定により1年前倒しして臨時改定がおこなわれることになります。

総合経済対策について、高市早苗首相は会見で「介護従事者全般に月1万円、半年分の賃上げを措置する」と表明しています。なお、総合経済対策の裏付けとなる補正予算の議論が順調に進めば、2026年2月前後から賃上げが実施される見込みです。

▽補正予算は12月16日に成立し、賃上げの詳細が決定しました。詳しくはこちらの記事で解説しています

他職種に追いつかない介護職の賃金

処遇改善を前倒しする背景の一つとして、介護職と他職種の賃金格差があります。厚生労働省の調査によると、処遇改善加算を取得している事業所で働く介護職の平均給与は、2024年9月から2025年7月にかけて33万4,500円から34万1,340円へと2%ほど上昇しました。

しかし、社会全体で賃上げムードが高まった結果、春闘では全職種の正社員は5.25%の賃上げが実現しました。企業の判断で賃上げできる他産業と異なり、介護分野は「公定価格」である介護報酬に基づきサービスを提供するため、社会全体の賃上げペースにすぐには追いつけません。このような背景から他産業との賃金格差が残っています。

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