専門家「予定以上の措置はあるのか」
今回の総合経済対策・報酬改定について、介護現場や働く環境に詳しい、介護人材政策研究会代表理事の天野尊明さんにお話を聞きました。
天野さん:今回の総合経済対策には歓迎の声があがっていますね。しかし、この処遇改善自体は、あらかじめ決まっていたことです。そのため、予定以上のものが実施されるのかによって最終的な評価は大きく変わってくるでしょう。
対策の内容に「報酬改定の効果を前倒しすることが必要」と明記された点が重要だと感じます。この中身こそが介護報酬改定につながるものになると考えています。
また、賃上げの規模としては、格差縮小のためにまずは月1万円は必要でしょう。そして、2026年の春闘に備え、他産業に負けない賃上げに必要な措置としてさらに月1万円。合計月2万円は最低限必要ではないかと考えています。
全職種の賃上げが必要
天野さん:賃上げの範囲も重要です。これまでの賃上げは、主に介護職員等処遇改善加算に基づいていました。つまり、事業者の判断で柔軟な配分は認められてきたものの、基本的に介護職員が対象でした。そのため、ケアマネなどの他職種の賃上げについては、それを分けあって支給するか、事業者側が持ち出しで財源を捻出してきたんです。この点の解消に動き出したことは評価できます。
もちろん、ケアマネ事業所などは対象外でしたから、今後は職種の垣根を取っ払い、すべての介護施設・事業所で働く従事者に適用されるものにしなければ、その実効性は薄まってしまうと懸念しています。
