介護報酬は2026年度から「月1万円の賃上げ」。異例の臨時改定を専門家はどう評価する?

事業所を支える「医療・介護等支援パッケージ」

今回の総合経済対策では介護分野にとどまらず、医療・介護施設の経営改善や、従業員の処遇改善を進めるため、「医療・介護等支援パッケージ」に取り組むことも示されました。これには以下のような3階建ての施策が含まれています。

  • 人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げ・職場環境改善を支援
  • 物価上昇の影響があるなかでも、介護事業所・施設が必要な介護サービスを円滑に継続するための支援
  • ICT等のテクノロジーの導入や経営の協働化、訪問介護・ケアマネジメントの提供体制の確保に向けた支援

引用:厚生労働省|介護保険最新情報 Vol.1442

これらの具体的な内容については、総合経済対策の裏付けとなる補正予算の議論のなかで決まっていきます。また対策では医療・介護分野だけでなく、中小企業支援として「重点支援地方交付金」での物価高騰に対する支援の継続や、交付金そのものの拡充についても盛り込まれました。

疲弊することなく活躍できる環境を

今回の総合経済対策や処遇改善について、天野さんは次のように語ります。

天野さん:介護保険制度は良くできた仕組みですが、実際にそれを実行するのは、介護事業者や介護従事者です。彼らが疲弊することなく活躍できてこそ、地域の要介護ニーズを受け止め、高齢社会を充実したものにすることができます。

介護報酬は国がその単価を定める「公定価格」です。それが事業者や従事者の足を引っ張るものであってはなりません。保険料の上昇を抑えるという国の方針は理解できますが、やはり介護というインフラを先細りさせないよう、事業者や従事者の活躍を後押しするような制度設計を心がけてほしいと願ってやみません。

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