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3,600万円がもらえる?…母子感染による「B型肝炎」、「国相手の裁判」で給付金を受け取る方法【弁護士が解説】

3,600万円がもらえる?…母子感染による「B型肝炎」、「国相手の裁判」で給付金を受け取る方法【弁護士が解説】

「B型肝炎給付金」の請求方法と注意事項

まず、B型肝炎給付金の請求に際しての注意事項を説明します。

一.病態を正しく主張する

給付金の金額は、過去にかかったことがある病態のなかで最も重いものによって決まります。手術などで治ったあとでも金額が下がることはありません。

一方、民事裁判で和解をすると、それ以前からあった事実に基づいてあとからその和解を覆すことができなくなります。そのため、たとえば現在は肝がんが治っているといって無症候性キャリアの50万円で和解してしまうと、あとから3,600万円請求できることに気付いても、改めて請求することができなくなってしまうのです。

二.提訴の期限を守る

B型肝炎給付金の請求のための提訴の期限は令和9年3月31日で、その日までに裁判所に訴状を提出する必要があります。

また、病態を発症した場合は、発症した日から20年以内に提訴しなければなりません。20年を経過してしまうと給付金の金額が大きく下がってしまいます。

給付金請求には「国相手の裁判」が必要

B型肝炎給付金の請求をするには、国を相手に裁判を起こしたうえで、自身が集団予防接種での注射器の使い回しに由来してB型肝炎ウイルスに持続感染したこと、および、その病態を確認する必要があります。実務上は、訴状を裁判所に提出したあと、法務局を介して国と資料のやりとりをして、最終的に裁判所の仲介のもとで和解をする方法が用いられます。

裁判は個人で起こすこともできますし、必要な資料も厚生労働省がインターネットで案内しています。もっとも、訴状になにを書けばよいのか、どのように資料を集めればよいのかなど、個人ではわかりづらいこともあるでしょう。そのため、弁護士に依頼することをお勧めします。

横山 令一

弁護士法人平松剛法律事務所福岡事務所

弁護士

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