
そのメッセージに呼応して、ファンから「ローチケ、買えなくなってる」「完売おめでとうございます!」などとの投稿もあったのだが、実際にソールドアウトになったのかどうかは不明なまま、ライブはスタートしたのだった。
◆準備を重ねた1年越しの“リベンジマッチ”
事前の格闘技をイメージした記者会見からの流れもあり、メンバーの登場は格闘技イベント風に演出され、ファイティングポーズをとりながら会場の中央部に位置するステージに全員が集結。いつものメインステージに加えて、花道でつながったこのセンターステージでパフォーマンスすることも多く、普段よりもメンバーたちを間近で見られる仕様になっていた今回のライブ。
柱のように伸びるリフターに乗り、上の階の客席から見えやすい高い位置で歌う曲があったり、花道を練り歩く際には、しゃがみ込んでギリギリまで客席に近づいて手を振る姿が見られたり、炎などの特殊効果も多かったりと、サービス精神が垣間見える瞬間も多かった。このあたりは、昨年のリベンジマッチであり、事前の取材で久保田が「今までのi☆Risとは思えない準備の速さ」と語っていた、スタッフたちの念入りな準備の賜物だろう。
さらに、ライブの題名どおりに行われたメンバー同士の対戦では、演出とその予算の使い方が実にそれぞれのキャラクターを表していたように感じた。


◆ソロでも活躍するからこそ出るパフォーマンスの厚み
そして、個人的にこのライブのハイライトであった芹澤優vs茜屋日海夏vs若井友希の三つ巴の対決パートが続く。i☆Risのメンバーたちがそれぞれソロでも活躍を続けていることで、ユニットとして集結した際にパフォーマンスの厚みが出ているのだと強く感じさせてくれたパートだったように思う。先陣を切ったのは、昨年までに5回のソロツアーを重ねたほか、人気アニメ「MFゴースト」OPテーマの「JUNGLE FIRE」を引っ提げて、ソロでも多数のフェスをブチ上げてきた芹澤だった。バックバンドを従えて、ノリやすいユーロビートで会場を上げたのち、若井の激しいピアノソロから始まる「遺言」で会場が静まり返る。

「JUNGLE FIRE」と同じくアップテンポではあるものの、テイストがまったく違う「遺言」は、決してペンライトを振りやすい、誰もがノリやすい曲ではない。しかし、練り上げられたピアノとバンドの演奏と彼女の高い歌唱力が、無条件で観客たちを惹きつける。そしてサビでは炎が燃え上がる特殊効果も使われ、渾身の曲を命を燃やして歌っているような演出がなされていた。
もう少しポップでノリ曲も多数持っているなか、この曲を選択するのは少し勇気を要したのではないか。それでもこの2曲が並んだパートが、ライブ全体のクオリティをグッと上げていたように感じる。


それぞれが独自の道を歩み、経験を積んでいるからこそ、全員が集まったときにさらなる輝きを見せてくれる。そんなグループ全体のパワーアップが光ったパートだった。

