2025年6月、宝塚市の住宅街に新しく洋菓子店がオープンしました。
一口食べると“やさしさ”がじんわり広がるそのお菓子は、見た目の可愛さだけでなく、素材や想いまでも丁寧に詰め込まれた一品ばかり。グルテンフリーのチーズケーキやほうじ茶モンブランなど、体にも心にもやさしいスイーツで話題を呼んでいます。
名店仕込みの技と、女性ならではの繊細な感性が光る、期待の新店。早速取材してきました!
宝塚の住宅街にひっそり。想いが詰まった“やさしいお菓子屋さん”

場所は、阪急「小林駅」から歩いて約15分。のどかな住宅街の一角に「すず菓子店」はあります。

店内に入ると、ブルーグレーの壁と木のぬくもりが調和した、おしゃれで落ち着く空間。静かな空気の中、ショーケースには生ケーキや焼き菓子がずらりと並び、「今日はどれにしようかな」と迷う時間もごちそうのひとつです。

お菓子はどれも、国産素材を中心に、きび砂糖やオーガニックのフルーツを使用したやさしい味わい。甘さは控えめで、毎日食べても飽きがこない、“罪悪感のないおやつ”を目指して作られています。

この店を営むのは、大阪の名店「なかたに亭」で5年、「YARD COFFEE」で2年腕を磨いたパティシエール・髙田さん。独立を夢見て間借り営業を始めるも、小麦アレルギーが悪化して一時はお菓子作りから離れることに。だけど、「やっぱり自分の店を持ちたい」という気持ちは揺らがず、治療とコーヒーの勉強を経て、ついにこの場所にたどり着きました。

地元の常連さんとおしゃべりしながら、ゆったり流れる時間を楽しむ空間は、まるで髙田さんの人生そのもの。無理をせず、でも確かに一歩ずつ積み重ねてきた“やさしさ”が、すべてのお菓子に詰まっているようです。
素材にこだわった、毎日食べたいお菓子たち
ショーケースに並ぶのは、季節を感じるモンブランやショートケーキなどの生菓子が6〜7種類、焼き菓子が15種類ほど。中でも一番人気なのが、チーズケーキ!見た目はレアチーズ風なのに、実はしっかりベイクドというギャップのある一品です。

このチーズケーキ、グルテンフリーで小麦は一切使っていません。土台のクッキー生地は米粉を使い、シナモンを加えて香りとコクをプラス。

パサつきがちな米粉の食感を工夫でなめらかに仕上げていて、フォークを入れるとトロッ…とろける口あたりがたまりません。レアとベイクドの“いいとこ取り”な、不思議で美味しいチーズケーキでした!

秋のモンブランは、香り高い和栗とほうじ茶のダマンドを組み合わせた大人な一品。タルト生地は薄く、クリームは砂糖不使用のさっぱりした生クリーム。栗の甘さとほうじ茶の渋みが引き立て合って、素材そのものを味わう贅沢感がありました。

チョコレートケーキは、きび糖でふんわり焼き上げたスポンジに、オーガニックのダークチョコレートを使ったクリームを重ねた王道スタイル。ダークといっても苦すぎず、やさしい甘さでお子さまにも好評なのだそう。

そのほかにも、奄美諸島のきび糖と平飼い卵を使った「トロっとプリン」や、オーガニック素材を取り入れたクッキー類も人気。特に、ほうじ茶のクッキーは香ばしさとほろ苦さが絶妙で、思わず全種類制覇したくなるラインアップです。