◆妻のモラハラは加速…
生まれたばかりの赤ん坊は、紛れもなく我が子だと思った。離れて暮らす我が子に「毎日1秒でもいいから会いたい」と願った。そして、妻と子どもとひとつ屋根の下で“家族”として生活することを心待ちにしていた。子どもが生まれて2か月、ようやく同居ができることになった。山内さんは3人で暮らせることの嬉しさが大きくなる一方で、美咲さんの態度に辟易するようにもなった。モラハラは加速し、ついには……。
「暮らし始めてから、本当に妻のモラハラがひどくなって。主に暴言です。理由は言えないのですが、わずか1か月も経たずに私の荷物が家の外に放り出され、とうとう家を追い出されてしまいました」
この一件で、山内さんのストレスが限界に達した。同時に、これまでの妻との関係は、対等なものではなく、妻が上、自分が下の上下関係にあったのだと気づく。
「自分の思い通りにならないと妻はキレていました。自分以外の意見は“自分のことを否定する悪いもの”として認識していたのだと思います。私の意見を拒否し、聞く耳を持たず、いつも話し合いができなかったので……。私はいつしか話し合いをすることを諦めていました」
山内さんは、これ以上は自分が持たない、と離婚を決意した。
◆ついに離婚裁判へ。子どものDNA鑑定をすることに…

「妻は2回目の調停に姿を現しませんでした」
やむなく裁判へと移行することになった。調停から裁判に移行するまで、DNA鑑定が絡んでくることや、その裁判所では初めての事例だったということもあり、手続きに4か月かかったそうだ。裁判が始まるまでの間、美咲さんはLINEや手紙で何度も連絡をしてきた。
「妻からは、『私が調停に行かなかったからもうDNA鑑定はする必要がない、養育費もいらないから早く離婚届を書いて』と連絡が来ました。私の会社まで直接来たこともありましたね」
しかし山内さんは「調停でDNA鑑定はできなかったから、裁判でDNA鑑定をもう一度行う。裁判が終わるまでは離婚届は書かない」と伝え、あくまで決着が着いてから、という姿勢を貫いていた。すると、妻の彼氏と名乗る男性からLINEが来たという。
「『いつまでこの関係を続けるのか? 裁判をするつもりなのか?』と言ってきました。私は『あなたには関係ないので』と何も話しませんでした。この男からはこれ以上連絡はありませんでしたが、この男こそが浮気相手だったようです」

