◆監督はダイヤモンドバックス戦前のメジャー復帰を示唆
そしてその2試合で、佐々木は2回を投げて無安打無失点。四球を1つ与えたが、3つの三振を奪うなど、リリーフ適性が皆無でないことを証明している。特に2度目のリリーフ登板となった22日の試合は、わずか8球で3人の打者を仕留める省エネ投球を披露。フォーシームの最速は97.9マイル(約157.6キロ)に留まったが、課題の制球には改善の兆しを見せており、首脳陣には絶好のアピールとなったはずだ。
そして、この日の登板を受けて、デーブ・ロバーツ監督は佐々木のメジャー昇格を示唆。「朗希は本当に良かった。いい投球だった」と、佐々木の投球を褒めたうえで、「彼はアリゾナに来て、我々に会うことになるだろう」と、24日から始まるダイヤモンドバックスとの3連戦を前にメジャー復帰させる考えを示した。
佐々木自身も救援に前向きな姿勢を見せており、引き続きメジャーでも結果を残すことができれば、ポストシーズンでドジャースの救世主となってもおかしくないだろう。
◆高校時代から温室育成され続けたキャリア背景
思い返せば、佐々木は高校時代から異常なほど大事に育てられてきた。大船渡高校3年時の岩手県予選決勝では、甲子園出場に王手をかけながら、登板を回避。将来を見据えた起用には賛否あったが、どちらかというと好意的な声の方が多かった。ロッテに入団後も1年目は体力づくりに専念し、二軍ですら登板せず。2年目以降も球数や登板間隔を制限しつつ大事に育てられてきた。
時に過保護すぎる球団の方針は“温室”とも揶揄されたが、すべてはメジャーリーグで花を開かせるための我慢だったのだろう。

