
政治・経済・社会…時代は大きな転換期を迎えています。そんな混沌とした時代のいま、経営層を担うエグゼクティブの転職において、企業が求める“資質”があると語るのは、エグゼクティブ転職の専門家・井上和幸氏です。本記事では、エグゼクティブに特に強く求められ、これらを持っていなければ転職も容易ではないという「5つの資質」を見ていきましょう。
先の見えない混迷期、エグゼクティブに求められる資質とは
数ヵ月前までは誰も想像していなかった自民・維新の連立政権発足。東京都内の不動産価格が爆上がりする一方で、中国華僑の資金繰りが急速に悪化しており、"爆買い"からの撤退が相次いでいるとの情報もあります。
政治・経済・社会、いずれも先行きが見通しにくい混迷期であり、大きな時代の変わり目にいることは間違いなさそうです。
この環境下において、経営層を担うエグゼクティブの皆さんに特に強く求められている「5つの資質」があります。これは、この半年から1年ほどの間で行ったエグゼクティブサーチの現場での経営者達とのディスカッションや、日常的に携わる幹部採用・転職支援を通じて実感してきたものです。
ここからは、その5つの資質をご紹介していきたいと思います。
求められる資質「①顧客・市場理解」「②見識・持論・見解」
エグゼクティブに求められる資質の1つ目が「顧客・市場理解」、そして、2つ目が「見識・持論・見解」です。
これだけ変化の激しい時代だからこそ、固定的な情報や理解に留まらず・囚われず、刻々と変化し続けている市場や顧客の動き、求めているものをしっかりと見て、理性と感情で把握できること。
そして、それを通じて企業が今後どのような事業、商品、サービスを展開すべきかについての見識、持論を持てることが、事業や組織を最前線で差配するエグゼクティブの皆さんには、いま非常に強く期待され、求められています。
実際、コロナ以降、AIが普及する直近の面接においては、「古い考え方や一般論しか語れない人」と、具体的に自身が関与している事業環境や商品・サービスに関する顧客や市場の最新動向について「今日時点での生の情報を元に、仮説も交えて持論を語れる人」との間に、大きな差が生まれていると感じています。
幹部採用、経営職採用における業界・職種を超えた共通テーマは、「これまでの常識や価値観が通用しない時代への対応」です。これを体現できる候補者なのか否かを厳しく見られているということを理解した上で、①②についてアウトプットする必要があります。
そのために、
・現職での独自の情報源を最大限に活かす
・社外にも情報ソースとなる人脈を多く持っている
・情報感度高く、世の中のニュースなどをウォッチ、把握できている
・常に、自分の周囲で起きていることについて、「なぜ・どうして・だから」の持論を考える癖を身につけている
といったことが、重要な日常の行動テーマとなるでしょう。
