「だって家族だよ? 助け合わなきゃ…」夫の発言に絶句
翔太さんには5歳年上の姉、絵美里さん(仮名・37歳)がいます。絵美里さんは7年前、子どもが1歳になる前に離婚し、以来ずっとシングルマザーです。
「なんでも、義姉が〈生活が苦しい〉といっていろいろなものをねだり、いまは生活費を援助しているんだそうです。〈あんたのところは、奥さんが稼ぐからいいじゃない〉って…」
それをそのまま笑顔で伝える翔太さんに、彩さんは絶句。
「私も腹が立って〈なんであなたのお姉さんを助けなきゃいけないの?〉〈うちだって将来を考えたら、余裕なんかないよ?〉っていったんです。そうしたらキョトンとして〈だって家族だよ? 助け合わなきゃ〉だって…」
厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」によると、母子家庭における養育費の平均月額は、子ども1人の場合、月額4万468円。その一方で、「令和5年版 厚生労働白書」によれば、離婚した母子家庭の約7割は養育費が支払われていないことがわかっています。
こうした状況を踏まえれば、翔太さんが離婚した姉とその子を経済的に支援しようと思うのも理解はできます。しかし、それが自分の家庭の将来設計や子どもの教育費にまで影響が及ぶなら、話はまた違ってくるでしょう。
彩さんが「なぜ相談もなくそんなことをするのか」と追及すると、「自分のお金だからいいと思った、ごめんなさい」と返され、二の句が継げなくなってしまったといいます。
「優しいし、よく気が付く人だと思っていたのですが…。〈この人と一緒にいて、大丈夫なのかな?〉という、不安の気持ちが強くなりましたね…」
自分が家計の多くを担うことには、まったく不満はなかったという彩さん。
「彼は年下だし、収入の伸びもまだこれから。私がお金の使い方に口をはさむのは…と思って、いろいろ目をつぶっているというか、背けている部分がありました。結婚してまだ数年。早くにわかってよかったというべきなのか…」
彩さんは、今後の家計の管理の方法と、家族についての考え方のすり合わせに頭を痛めています。
〈参照〉
■厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」
(https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f1dc19f2-79dc-49bf-a774-21607026a21d/9ff012a5/20230725_councils_shingikai_hinkon_hitorioya_6TseCaln_05.pdf)
■厚生労働省「令和5年版 厚生労働白書(令和4年度厚生労働行政年次報告p74)
(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/22/dl/zentai.pdf)
