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「モテる男性は上位3割だけ」恋愛市場で“数値化される男たち”の嘆き。毎日2時間の努力も「半分は返事すら来ない」

「モテる男性は上位3割だけ」恋愛市場で“数値化される男たち”の嘆き。毎日2時間の努力も「半分は返事すら来ない」

◆恋愛市場で進む「中間層の崩壊」

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日本の婚姻数は年々減少傾向にあるが、荒川氏によればかつての「皆婚時代」には、恋愛を社会全体で支える仕組みが存在したという。

「例えば近所のお節介おばさんや職場の上司・同僚、お見合いを取り持つ仲人――。彼らが引き合わせ役になることで男女の恋愛に循環が生み出されていたんです。彼らのおかげで恋愛強者は早々に結婚して市場を抜け、中間層の一部が繰り上がって上位3割になるというスライドアップがあった。だからみんな『いずれは自分も結婚できる』という安心感があったんです。いわば、かつての恋愛市場は団体戦でした」

しかし、いつしか上司の仲介はセクハラ認定されるようになり、地域コミュニティの希薄化から紹介も減り、コロナ禍以降は合コン文化も衰退した。その結果、恋愛は完全に個人戦となった。明治安田生命による「『いい夫婦の日』に関するアンケート調査」(’24年)によれば、マッチングアプリや合コン、婚活パーティなどを「自力で結婚したグループ」として見た場合、過去を遡っても“自力婚”全体の婚姻数に大きな変化はない。

新たな生きづらさ 男に広まる[弱者感]

◆マッチングアプリで生まれるのは…

荒川氏が分析する。

「ここから読み取れるのは、近年のマッチングアプリ婚の増加は婚姻数増加には貢献しておらず、アプリ経由で結婚に至った人は結局、アプリがなくても結婚まで漕ぎつけられたはずの“恋愛強者”だったということ。全体数の減少は、他人のお膳立てがあって結婚できていた中間層の喪失によるもの。恋愛の個人戦化は男性を『一部の超モテ』と『その他大勢の非モテ』に二極化させてしまったのです」

恋愛が「社会の中で育まれる関係」から「アルゴリズムが選別する個人戦」へと変わった今、生まれるのは愛ではなく分断だけかもしれない。

【独身研究家 荒川和久氏】
ソロ社会および独身生活者研究の第一人者として、メディアで活躍。著書に、『結婚滅亡』(あさ出版)など多数
新たな生きづらさ 男に広まる[弱者感]
独身研究家の荒川和久氏

【経営学者 高橋勅徳氏】
東京都立大学大学院経営学研究科准教授。営学の視点から婚活市場や恋愛行動を研究。著書に『婚活戦略』(中央経済社)など
新たな生きづらさ 男に広まる[弱者感]
経営学者の高橋勅徳氏

取材・文/週刊SPA!編集部

―[新たな生きづらさ 男に広まる[弱者感]]―

配信元: 日刊SPA!

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