◆日常の中の特別感を歌詞に表現
ーー野島さんはじっくり考えて作詞をされる印象があるのですが、今回はどんな感じで進めていきましたか?野島:今回は自分でも驚くぐらいスラスラ書けました(笑)。初めてのラブソングなので書きたいことがたくさんあって、多分5番ぐらいまで書けちゃったと思います。
ーーめちゃくちゃ超大作じゃないですか! 歌詞の中のカップルってどんな想定ですか?
野島:めちゃくちゃ設定しましたよ! ちなみに半同棲三年目ですね。お互い仕事もあって、週の何日かを一緒に過ごしている、みたいな。例えば冒頭の寝起きで「おはよう」と囁く場面や、自分のTシャツを着てコーヒーを注ぐ彼女の後ろ姿とか、当たり前の日常だけど、ホッとするような特別感があるだろうなと思って書いてます。でも曲自体は2分30秒ちょっとの短い尺だし、書きたいワードがありすぎると重い楽曲になっちゃうので、日本語と英語のいい塩梅をとって、さらっとしつつ繰り返し聴けるような感じにしてみたつもりです。
ーー凝縮された恋愛観が詰まっているんですね。
野島:最初に曲があって歌詞を当てはめていったので泣く泣く抜粋したところも……。ありとあらゆる恋愛話や妄想もひっくるめていたので、歌詞の中に入れたい言葉がありすぎちゃって。本当は『クローゼットにどんどん彼女の洋服が増えていって、彼女がいない時間もぬくもりで包まれている』とか書きたかったんですけどキリがないので(笑)
◆愛を伝える“最上級の言葉”
ーーこんなにシチュエーションが思いつくと、次回作も期待したくなりますね!野島:私も恋愛ソングを書いていてすごく楽しかったので、ドロドロした歌詞も書いてみたいですね。でも、今回制作するにあたってサウンドも大事だなって思いました。『ADORABLE』はR&Bサウンドだったのでハマったところもあるんですけど、これがアップテンポの曲だと同じ歌詞でもニュアンスがすごく変わってきちゃうので。
ーーさてタイトルの『ADORABLE』ですが、どんな意味を込められたんでしょうか?
野島:実は歌詞を書き終えてから決めたんですよ。『ADORABLE』って“愛おしい”っていう意味もあるんですけど、歌詞を読み返したときにこの気持ちは何だろうって考えたんです。“LOVE”じゃない聞き馴染みのないような言葉がいいなと思って調べていたときにこの“ADORABLE”っていう言葉があって。この単語の“愛おしい”って恋愛表現でも使うのかなと思って、レコーディングの現場にいた海外在住のスタッフさんに相談したら、人間の赤ちゃんや動物に対しても使う、最上級の愛を伝える言葉でもあると教えてくれました。まさに歌詞の中で言いたい言葉の表現と重なっていたし、海外で馴染みのある言葉をタイトルにできてよかったです。
ーー楽曲はライブでも披露されているんですよね?
野島:そうですね。 何度か披露しているんですけど、ファンの方からいい反響をいただいています。R&Bが好きなファンの方も多くて、「お酒を飲みながら聴きたくなるテンポだし、いい意味で恋愛の色気もある楽曲で、聴いていてすごく耳心地もいいから好き」と伝えてくれる方もいます。


