
多くの人を魅了するスイーツの代表格となった「パフェ」。たっぷりのフルーツが盛られたものからパティシエの技が光るもの、常識を覆すお食事系ものなど多様化し、様々な見方や考察が出る中で、今回ufu.(ウフ。)は一つのグラスの上で“職人が彩るパフェ”というものに一度立ち返り、食べ手側の考察ではなく、作り手の「頭の中」を紐解く、そんなパフェ連載を今回考えました。美しいパフェをグラスから、スプーンから、一つ一つ紐解いていきます。

美しいパフェを毎月ナビゲートしてくれるのは、AKB48で活躍する小栗有以さん。2014年にAKB48 Team 8の東京都代表として加入。2018年「Teacher Teacher」で初のセンターに抜擢され、2025年8月発売のAKB4820周年記念66thシングル「Oh my pumpkin!」でセンターを務めるなど、AKB48のエースとして活躍中。最近は女優、モデル、バラエティでも幅広い活動をしており、週3サウナ•アサイーに温泉•美容•腸活で美容と健康を「#美ユイティフル」で発信。
人気アイドル×パフェ。そんな斬新な切り口で、パフェの面白さを一緒に掘り下げていきます。
第二回目となる本連載。舞台は青山にある「GENTLE Dining」。
「GENTLE Dining」 (青山)の場合

表参道駅から徒歩7分。大人の隠れ家のようなプライベートダイニングで、ガーデンテラスを抜けた先に広がるダイニングで味わうのは、イタリアンやスパニッシュを織り交ぜた目にも愉しい地中海料理や、専属のパティシエが仕立てる特製のケーキやスイーツ。

このダイニングで腕をふるうシェフ・パティシエ渕上 祥平氏は、30歳でフランスへ渡り、フォンテーヌブローのパティスリー『フレデリックカッセル』にて修行を積みミシュラン一つ星店フランス料理店『壺中天』、パリのレストラン『Sola』などで経験を積む。2021年から同店のシェフ・パティシエを務め、毎月の予約制のパフェは、パフェ好きの間でも話題になり、毎回満席に。渕上シェフが奏でる、優雅さを感じるパフェの美しさは思わずため息が出るほど。
渕上シェフが今回選び、作ってくださったパフェはシェフの想い入れのある、美しいブーケのようなデザイン。
「グラス」:3種のグラスが織りなす美味しさのデザイン。シャープなグラスがもたらす“底の瑞々しさ”

サイズ:高さ16.5cm
3種類あるという、グラスのデザイン。通常パフェを提供しているお店のパフェグラスは1種類のみのところも多く、3種類使い分けているのは珍しい。カクテルグラス、ワイングラスなど、その時のパフェのテーマに合わせているそう。また写真一番右のワイングラスを使う時は、ボトムとトップでテーマを変え、一つのパフェで二つの味が楽しめるような工夫もされています。

今回のパフェのグラスはこちら。上にパフェグラスの口が広がっていて、下に行くに従って小さくなる形で、適度な深さがあるものの底のボリューム感に制約があるデザイン。このグラスを選んだ意図と、制約があるからこそできるパフェの美味しさについて、渕上シェフにお話を伺いました。
渕上シェフ「食べ進むにつれて、食感と味わいを軽くしていきたいと考えています。 このグラスの形状だと、底の部分がとてもシャープ(狭い)なので素材を入れられる分量の制約があります。ゼラチンやアガーの使用量をギリギリまで減らした瑞々しいゼリーやピューレは、実はこのグラスの形だからこそ保形ができていて、グラスの形に依存しているといえます。このグラスだからこそ、表現できる美味しさや感じていただける瑞々しさがあると思っています。
フルーツもトップ部分の広さを生かして、大ぶりにカットしてダイナミックに盛りつけて、テーマの季節のフルーツを食べたときに満足感を感じてもらうように。ボトムの部分には小さくカットしたものを入れていて、混ざった時やスプーンで掬い上げた時のランダム性を意識しています。 日本人はパーツごとに食べていく傾向がある気がしますが、半分は好きに食べて、半分は縦食べをしてもらいたいと思っています。そのために縦に高さがあるこのグラスを選んでいます。」