「スプーン」:食べ手のストレスフリーな体験が特別な美味しさに繋がる

サイズ直径17cm
パフェスプーンの中でも長すぎず、持ち手の部分が平たく大きいので、食べ手がコントロールしやすい印象を受けるこのスプーン。
なぜこのスプーンを選んだのでしょうか? 渕上シェフにお話を伺うと……。
渕上シェフ「食べる途中や食べ終わりにスプーンをグラス内に立てておいても、グラスが倒れない重量バランスになっています。また、ボトム部分まで程よく届く長さと、ステンレスで口当たりの良いスプーンを選びました。使いやすさ、ボトムまでの届きやすさは大事で、ストレスなく食べられる体験を大事にしています。また口当たりの良さは美味しさにもつながると思い、スプーンの厚みも薄くて食べるのを邪魔しないものを選びました。」
トップ:季節感や食感の表現だけではない「物語」の表現の場

“日本の季節のフルーツを味わうパフェ”をテーマに掲げていると話す渕上シェフ。
渕上シェフ「トップにはその時に食べて欲しいテーマの食材(フルーツ)を多めに配置して満足度を高め、ハーブやエディブルフラワー、ナパージュでコーティングしたムースを飾り華やかな印象を与えています。
使用するチュイールやオパリーヌ、メレンゲやアメ細工は欲しい食感、色味によって変わります。」」

スライスされたりんごを1枚、1枚ブーケのように見立てた美しいトップ層の盛り付けにも、深いエピソードが。
渕上シェフ「23年の秋に、りんごのパフェの構成を考えている時でした。 味の構成、バランスなどは決まっていてパフェのデザインが今ひとつ決まっておらず、その時にちょうどパリを旅行していました。ルーブルを背景にセーヌ川を渡っている妻が担いでいたブーケを見て『あっ、いいじゃんコレにしよう。』と閃いたんです。」
この写真はちょうど奥様がブーケを担いでいるときのもの。りんごを使って見事にその情景を表現されており、パティシエの技量とイマジネーションの素晴らしさと無限の可能性を感じます。