◆グラドルからセクシー女優デビューが急増する裏側

元グラドルの母数が増えると業界は賑わうが、もちろん“珍しさ”は薄れていく。つまり後からやってくる人々にとっては「1年前にデビューしていれば、もっと良い条件で契約を結べたのに」なんて悔しい現象も起きやすい。どんどん求めるハードルが上がるため、一筋縄ではいかないのだ。
グラドルからの転向は、昔からよく見られる例ではある。だが、覚悟を決める女性が増えたのは、セクシー業界における可能性の広さと、現在のグラビア界隈の厳しさが関係しているのだろう。
◆「セクシー女優と変わらない」過激なグラドルも…
平成中期くらいまでは、テレビ番組の“グラドル枠”が目立っていた。ゴールデンタイムからちょっとオトナな23時以降のバラエティには、ほぼ必ずと言っていいほど彼女たちの姿があり、グラドルだけを集めた格付け企画なども行われていた。レギュラーを持つ人も一定数いて、今よりもさらに身近な存在だったように思う。時間の経過と共に有名アイドルや一般モデルが次々と水着に挑戦し、週刊誌や少年誌の表紙を飾る時代へと移りゆく。ファンからすると推しアイドルの違う顔を見られるのは嬉しいことだけど、グラビア専門で戦う人間や事務所は新たな流れに大きく苦戦。紙媒体の数も、バラエティ番組への出演枠も奪い合いとなれば、満遍なく仕事が行き渡らなくなる。
せっかく水着になる覚悟を決めても、オファーが来なければ意味はない。事務所に入っても思うようにいかずにヤキモキし、「ここで我慢し続けるくらいなら」と、ビデオ出演に踏み切る話もよく聞くくらいである。
テレビや雑誌の仕事をもらえるのはほんの一握りで、現代のグラドルの多くは撮影会やイメージDVDのリリースをメインに活動する。このイメージDVD、通称・IVの内容が昨今は過激化しており、「もはやセクシー女優と変わりないのでは?」と言われてしまうほど。
数字が伸びないとIVを撮ってもらえないため、オファーがくるだけマシなのだろうけど、過激な内容に挑戦してもさほどギャラは高くない。人気者にならないと金額は上がらず、おまけに1年間にリリース可能なIVの数は限られているのだ。
リリースすればするほどネタは尽きるし、どんどん過激なものを求められるのは避けて通れない道。頑張りがどこかで開花すれば御の字なものの、売れっ子ルートが昔よりも険しいせいで、グラドルの悩みはとにかく尽きないのである。

