◆ポッド3は「不気味な存在が多い」
FIFAランキングを参照するなら、ポッド1ではカナダ(27位)など開催国と同組になると勝ち上がる可能性が高くなりそうだが、ホームの利はあるのでいずれも簡単ではない。そういう意味ではポッド1はどのチームと同組になっても同等に高い難易度の相手になるといえる。ポッド2の国とはもちろん同組にならない。前回大会でPK方式の末に敗れたクロアチア(10位)、前回ベスト4のモロッコ(11位)などの強豪や古豪との対戦を避けられるのは大きい。これは出場国枠が増えたことによるよき影響といえる。前回大会までの32カ国であれば、日本はポッド3になる。そしてポッド2には先述のクロアチアやモロッコのほかに、コロンビア(13位)、ウルグアイ(16位)が入る。そして今回ポッド1のポルトガル(6位)、オランダ(7位)、ベルギー(8位)、ドイツも同ポッドとなる。出場国枠が増えたおかげで日本はポッド2となり、そのうち4チームと同組になることがなくなった。
ポッド3の注目は世界的ストライカーのいるチームになる。ノルウェー(29位)にはプレミアリーグで無双するマンチェスター・シティ所属のアーリング・ハーランドがいる。そして、エジプト(34位)には遠藤航の同僚であるリバプール所属のモハメド・サラーが君臨する。その他にも10月に2-2で引き分けたパラグアイ(39位)など、不気味な存在が多い。
ポッド4は前回大会までであれば出場できなかったチームで、初出場国も多い。本来であれば日本が勝って当たり前というチームばかりになるのだが、先述したとおり欧州プレーオフの結果次第ではとんでもない死のグループとなる。そのことを踏まえると、抽選会のハイライトはポッド4の抽選時といえる。
◆決勝トーナメント進出の可能性は?
いろいろと不安をあおるような解説をしたが、グループリーグ3位の2/3までが決勝トーナメントに進出できることを考慮すると、たとえ日本と同組になるポッド4がイタリアやデンマークになったとしても、決勝トーナメントのステージに進出できる可能性は高い。目の前の1戦1戦はもちろん大切にしておろそかにしてはならないが、優勝を公言する日本にとってはグループステージでの対戦相手というより、決勝トーナメントに進出した際にどこと対戦する可能性が高いかのほうがポイントになる。
そして、それよりも対戦相手とともに決まる開催地のほうが重要になる。優勝するには大会期間中のコンディション維持が不可欠だ。抽選結果によっては、移動時間や時差に苦しめられる可能性がある。よって、12月5日の抽選会は試合会場にも注目しながら見てみてほしい。
<TEXT/川原宏樹>
【川原宏樹】
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる

