◆命の恩人との出会いがすべてを変えた
そんな命の恩人となった担任の先生は、その年度で異動となったが、中学3年生の先生にも情報が共有された。さらに高校生になった際にも、その先生からの引継ぎがなされたという。「信頼できる人に出会うことはとても難しいです。私と同じように苦しんでいる人がいたら、それでも絶対に出会えるから諦めないでいてほしいと伝えたいです。出会うまでに多くの心ない人に会っても、どうか自分のことを責めずに現状を変える希望を持って生きてほしいと思います」
その後、高校生になってからは性的な被害は落ち着いたものの、愛情のない親との生活は窮屈であることには変わらず、「なんとか高校生までは我慢しよう」と思いながら日々過ごしていたという。
そして高校卒業後に家を出ることを決意。それ以降も多くのトラブルがあったようだが、現在は家族全員と縁を切り、webデザイナーというやりたい仕事に就いて、恋人とともに支え合って暮らしている。困難が多い人生を歩んできた彼女の話には、困難を強みに変えようとする力強さを感じられた。
取材・文/なっちゃの
【なっちゃの】
会社員兼ライター、30代ワーママ。世の中で起きる人の痛みを書きたく、毒親などインタビュー記事を執筆。

