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「自分は弱者だ」と感じる“普通の男性”が増加…これ以上自己評価を下げないための“考え方”とは

「自分は弱者だ」と感じる“普通の男性”が増加…これ以上自己評価を下げないための“考え方”とは

◆“イイもの”に挟まれて弱者感に陥る中年たち

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「就職氷河期を経験した40~50代は、バブル時代と’00年以降の急速なIT革命という“いいモノ”の間に挟まれてきました。それゆえに自然と自分と他人を比較し、現実を前に落胆するのです。

マッチングアプリにしても、実際は平均以上の年収があっても、“足切り”によって格上の相手と比較されることで自分は平均以下だと思ってしまう。こうした弱者感の刷り込みが繰り返されれば、何をしてもムダだという“学習性無力感”に陥る。こうなると状況を打開することは難しくなります」

世に氾濫する理想像の多様化が、なおさら男を苦しめる。

「社会心理学者のミルグラムが唱えた『過剰負荷環境理論』によれば、人は多くの情報にさらされると、処理しきれずフリーズし、結果“何もしない”ことを選択すると言われています。江戸時代の農民は農作物を育てることだけに集中できた。一方我々は、価値観が多様化したせいで目標を見失いやすくなっています」

◆弱者化する脳を守るためにできることは…

こうした現象は意欲的に仕事をせず必要最低限の仕事をする働き方、いわゆる“静かな退職”の流行にも関わっている。弱者化する脳を守るために何ができるだろうか。

「心理学者シュワルツによれば、人間には性格を表す2つの傾向があります。身近なものに満足し、幸福度が高い傾向のサティスファイサー(充足思考)、理想を追い続け、完璧主義のマキシマイザー(最適追求)です。

サティスファイサーになるには、理想を諦めるのではなく受け流すこと。他人と比べてネガティブになりそうなら『人生こんなもんだ』と心の折り合いをつける。小さな達成感を重ねていけば、健やかに暮らしていけます」

身の回りの情報や言葉は、呪いではなく、自分を幸せにする味方にも変えられるのだ。

【明治大学教授 堀田秀吾氏】
言語学・法学・社会心理学・脳科学などのさまざまな分野の研究を展開。『燃えられない症候群』(サンマーク出版)など著書多数
新たな生きづらさ 男に広まる[弱者感]
明治大学教授の堀田秀吾氏

取材・文/週刊SPA!編集部

―[新たな生きづらさ 男に広まる[弱者感]]―

配信元: 日刊SPA!

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