◆大ピンチ…しかし大逆転の結果に

「窓を閉めて車を降りると、半グレたちは私の姿を見るやうろたえる様に後退りしていきました。実は当時の私はプロ格闘技の選手だったんです。大胸筋と腕周りが著しく発達し、身長は176cmほどですが腕周りが50cmを優に超えていて、手前味噌ですが常人では到底ありえないような肉体を持ち合わせていました。
そんな私の姿を目の当たりにした5人組はのうち4人が、自分たちの車に素早く戻ってしまいました。リーダーらしき1人がその場に残ったので、私は彼に詰め寄り『こんなことで人生棒に振ったらもったいないですよ。危ない運転はどんな理由であっても良くないと思います』とやや低いトーンで伝えました。
彼は今にも泣きそうな顔で『すみませんでした!』と足早に車へ戻り、アクセル全開で走り去っていきました。勝手に自分の見た目に怯えられましたが、少し清々しましたね」
タカシさんの鍛え上げられた肉体に怯んだ彼らが逃げた後、タカシさんたちは快適にドライブ旅行を楽しめたそうだ。
◆100%被害に遭わない対策はない?
――いまでもたびたび問題になる煽り運転問題。今回のタカシさんのように自身はほかの車に迷惑をかけない安全運転をしているつもりでも、煽り運転をする側は言い掛かりめいた理不尽なことを言ってくる可能性もある。
100%被害に遭わないようにする対策というのは皆無なのかもしれない。
(取材・文=十六夜瑠奈/A4studio)
【十六夜瑠奈】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。グルメ、音楽、エンタメ、サブカルチャー全般に興味がある。文化を分析、執筆することへ情熱を注ぐ。好きな食べ物はお茶漬け。

