生涯独身を前提としたら?必要なお金と備え

結婚をせず生涯独身という道を選ぶ場合、配偶者や家族がいるケースと比べるとお金との向き合い方も大きく変わります。
その代表例が生命保険です。「一家の主として万が一に備えて」「子供の教育費のために」といった保障は必要ないため、もしもの時のお葬式代程度、親族に負担をかけないように最低限の死亡保障に加入しておけば十分だと思います。
または、お葬式代程度の貯蓄があるということであれば死亡保障自体なくても良さそうです。その分、老後に向けた医療費や介護費などへの備えに注力しましょう。
そして、20代男性にとって老後を迎えるまでには40年、50年とたっぷり時間がありますので、NISAなどを活用し、ある程度リスクを取って長期的な資産増大を狙うという考え方も大切です。
また、単身で自由がゆえについお金を使い過ぎてしまうという人もいます。今、やりたいことや、どうしても欲しいものにお金を使うこと自体は悪いことではありませんが、ある程度貯蓄への意識も持っておくべきです。いわゆる手取りにあたる「可処分所得の2~3割程度」は将来への備えに回すという意識を持ち、積み立てなどを行ってください。
FP視点でのアドバイス「お金以外の財産にも目を向けて」
今回は「恋愛」がテーマでした。恋人の存在、そしてその恋人が配偶者やパートナーとなり生涯を共にする。こういう生き方も素敵です。一方、仕事や趣味、自分の時間を大切にするシングルライフも魅力的です。
どういう生き方をするのかによってお金との付き合い方も変わってきますが、私たちが生きていく上で財産となるのはお金だけではありません。若い頃に他の人があまり経験したことのないようなことに挑戦することも大きな財産になり得ますし、努力して試験に合格した資格も財産になります。そして何より皆さんの周りにいる人もかけがえのない財産です。
長年、単身で生活している人、特にシニア層の人が良く言うのが「保証人がいなくて困った」ということです。例えば、手術を受ける際も身内の同意が必要となることもあります。このようなケースをはじめ、いざという時に助けてくれる人がいる、自分が弱っている時に支えてくれる人がいるのは非常に心強いです。
そしてこれは「恋愛・結婚」というカタチにこだわらなくてもよいものです。兄弟姉妹などの身内、そして幼馴染みや親友など、自分にとって大切な人との関係をしっかり築いていくことが何より大切だと思います。
FPとしてお金の相談に応じていますが、お金以外の財産の大切さに気付かされることが少なくありません。お金ももちろん大切ですが、最終的にはお金以外のこのような財産をどれだけ持っているかが豊かな人生を歩めるかどうかの分岐点になりそうです。
恋愛や結婚もそういった大事な人と出会う1つの選択肢です。もし、経済的な理由で自ら恋愛にストップをかけているのであれば、ぜひ勇気をもって一歩踏み出してほしいと思います。恋愛をすることでお金をたくさん使うかもしれませんが、それ以上に大切なものを手に入れることができるかもしれません。
