驚愕の診断結果…娘の目からあふれた涙
「このままではいけない」と感じたAさんは、嫌がる父を説得し、心療内科を受診させることにしました。
医師から告げられた診断名は、「老人性うつ(うつ病)」でした。 環境の変化や役割の喪失、配偶者の不在などが引き金となり、高齢者の気力や食欲を奪う病気です。
「お父さん、寂しかったんだね……。ごめんね、私、お母さんのことでいっぱいいっぱいになってて……」
診断を聞いたAさんの目から、涙があふれました。父の変貌の原因が「認知症」ではなく、孤独や喪失感からくる心の病だったという真相を知り、気づいてあげられなかった後悔と、原因がはっきりした安堵が入り混じった涙でした。
「年だから」で片づけると、暮らしとお金が崩れ始める
高齢の親の変化を目の当たりにしたとき、「年のせいだよね」と片づけたくなるものです。 しかし、「生活」という視点でみると、心のエネルギー低下は次のようなリスクにつながる可能性があります。
ゴミ屋敷化 → 転倒・火災リスク
食生活の乱れ → 健康悪化
気力の低下 → 体力低下・ひきこもり
家計管理ができなくなる → 税金や公共料金の滞納、詐欺被害
医療・介護費の増加や、最悪の場合、不注意による火事などで住まいを失う事態にも繋がりかねません。健康や住まい、お金へと、「暮らしの連鎖的な崩壊」を引き起こす問題なのです。
