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派手な広告なしに売れる無印良品の化粧品、成功の裏にある戦略は?

洗面台をふと見渡すと、無印良品のスキンケアアイテムがいつの間にか増えている。そんな経験はありませんか?実は今、無印良品の化粧品が驚異的な成長を遂げています。2025年8月期、ヘルス&ビューティー部門の国内売上高は1000億円を突破し、国内化粧品企業ランキングで7位に入りました。派手な広告展開をほとんどせずに、ここまでの成長を実現してきたことが印象的です。

筆者自身も気づけば「敏感肌用化粧水」をリピート購入し、日焼け止めやふき取り化粧水も無印良品に。なぜこれほど多くの人が、無印良品の化粧品を選ぶのでしょうか。その理由を探ります。

「広告よりつながり」無印良品の化粧品戦略

スキンケアをする女性 【画像出典元】「stock.adobe.com/metamorworks」

良品計画が2025年10月に発表した2025年8月期決算によると、ヘルス&ビューティー部門の国内売上高は1000億円を突破しました。 これは国内化粧品企業の売上高ランキングで7位に相当する規模です。さらに注目すべきは、無印良品がテレビCMや芸能人を起用した大規模な広告に頼らず、ブランドの世界観と商品の魅力で成長を続けている点です。

一般的に化粧品業界では、大手メーカーが莫大な広告費を投じて認知度を高めています。一方、無印良品は「広告よりつながり」を重視し、SNSやアプリを通じた顧客との直接的なコミュニケーションに投資してきました。

無印良品が1980年の創業以来掲げてきたのが、「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な消費のあり方 。有名人が推すから買うのではなく、商品そのものの品質と価格に納得して選ぶという姿勢です。情報過多の現代において、華やかな広告に頼らないこのシンプルな姿勢が、多くの消費者の共感を得ていると考えられます。

化粧品が生む「ついで買い」の好循環

無印良品の化粧品 【画像出典元】「Rei Imagine/Shutterstock.com」

無印良品の化粧品戦略で興味深いのは、化粧品を「店舗への集客装置」として位置づけている点です。消耗品である化粧品は、消費者に定期的に店舗へ足を運ばせるきっかけとなり、そこで衣料品や生活雑貨、食品などの「ついで買い」を促します。

良品計画の決算説明資料によれば、ヘルス&ビューティー部門は国内売上高を急速に伸ばし、全体の約22%を占める主力商品群です。  日用消耗品やヘルス&ビューティーのような購入頻度の高い商品の品ぞろえを充実させたことが、集客に大きくつながっています。

化粧品売り場に立ち寄った顧客が、ついでに収納ボックスを買ったり、お菓子を買ったりする。この「ついで買い」の連鎖が、店舗全体の売上を底上げしているのです。良品計画は2028年8月期に営業収益1兆円、営業利益1000億円という目標を掲げており、 ヘルス&ビューティー部門はその成長エンジンとして、ますます重要な役割を果たしていくことでしょう。

配信元: mymo

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