「これでいい」という安心感が支持される理由
デパコス(デパートコスメ)は憧れるけれど毎日使うには高い。一方でドラッグストアのプチプラコスメには少し不安もある。そんな時に、「無印良品なら信頼できる」という安心感が消費者の選択を後押ししています。
無印良品の店舗はセルフ販売が基本で、美容部員からの接客プレッシャーがありません。化粧品売り場が苦手な人にとって、気軽に手に取れて自分のペースで選べることは大きな魅力です。
また、天然由来成分100%にもこだわり(天然成分を化学的に反応させた成分を含む)、敏感肌の人も使えるやさしい処方となっています。2023年9月には主力商品「敏感肌用シリーズ」が約23年ぶりに全面リニューアルされました 。化粧水はいずれもお手頃価格で競合よりも買いやすく、リピート購入者も多いといいます。
こうした「無印良品らしさ」が化粧品にも一貫して表れていることが、消費者の共感を呼んでいるのでしょう。
シンプルさが武器になる時代
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無印良品の化粧品が1000億円を突破した背景には、派手な広告戦略に頼らずとも顧客とのつながりを大切にし、共感を集める戦略がありました。そして何より、「これでいい」という消費者の心に寄り添う姿勢が、大手化粧品メーカーに並ぶ存在感を獲得した理由です。情報過多の時代だからこそ、無印良品のシンプルさと信頼感が際立つのでしょう。
筆者自身の経験から言えることは、無印良品の化粧品は「気づけば手に取っている」存在だということ。派手さはないけれど、確かな品質と手頃な価格、そして信頼感。この三拍子が揃っているからこそ、リピートし続けてしまうのかもしれません。
もしまだ試したことがない方がいれば、ぜひ一度店舗で手に取ってみてください。きっとその「ちょうどいい」感覚に、納得するはずです。