都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネルYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに、特殊清掃中の不思議な出来事について話を聞いた。
◆女の人の声で「おい!」

「突然、玄関のドアがノックされたんです。誰か来たのかな?と思い、ドアを開けてみると誰もいなくて。結構強めに叩かれたんで、風とかではないと思うのですが……。
別の現場でも女の人の声で『おい!』って言われて振り返ったら、男の従業員しかいなくて。『今、何か言った?』と聞いても、『いや、何も言ってないです』みたいなことはありました。孤独死が起きた現場では、このような怪奇現象はまれに遭遇します」
◆現場の下階で原因不明のトラブルが発生
特に自殺現場の場合、不思議な体験をする確率は上がるという。「首吊り現場の特殊清掃があって、依頼を受けたんです。いつも通りに清掃して作業完了報告をしたのですが、下の階の住人から管理会社さんに『天井のシーリングライトのカバー部分に水が溜まってしまって、その水が漏れてきて床がびしょびしょです』というクレームがきたんです。我々が上の階を清掃した際に配管回りを傷つけちゃったのかなと思ったんです。でも調べてみたところ傷もついてないし、配管に穴も空いてない。あれだけの水が溜まるってことは、2階の部分で何か不具合があってもおかしくはないのですが、一切水が漏れたような状況ではなかったんです」

「モイスチャーチェッカーという機械を使って調べたのですがどこも異常なく。もう乾燥しちゃったから、わからないんじゃないかという懸念もあったのですが、クレームを受けた翌日に対応したので、完全に乾いているはずはないんですよ」

「下の階の入居者に写真を見せてもらったのですが、広がった水の形が現地調査をしたときの光景にそっくりでした。首を吊った方からでていた体液と同じ広がり方をしていたんです。
でも、下の階に広がっていた液体は体液ではなく真水。そこが不思議なところなのです。清掃の際に、水を大量に使ったわけではないので完全に原因不明でした。でも、我々が施工した後に起こった事故なので、『知らない』と突っぱねて放っておくわけにもいかず、清掃など、きちんと対応をさせてもらいました」

