鉢植えでOK! フロントガーデンをクリスマス仕様に

玄関前を彩るフロントガーデンは、地面の庭がなくても鉢植え1つから楽しめます。例えば大きな鉢に低木を単植すれば、玄関先や前庭で一年中目を引くアイキャッチャーになります。クリスマスが近づくこの時期は、玄関前もクリスマス向けに模様替えしてみませんか? ここでは、クリスマスのフロントガーデンのアイデアをいくつかご紹介します。
ブルーベリーの鉢植えをデコレーション

ブルーベリーには、愛らしいつぼみ、美味しい果実、装飾的な小さな葉、赤やブロンズに色づく秋の紅葉、そして直立した美しい樹形など、季節ごとに多くの魅力があり、鉢植えでも育てやすいおすすめの低木です。クリスマスが近づいてきたら、落葉した枝に軽いリボンやクリスマスオーナメントを飾れば、クリスマスの雰囲気が味わえる1鉢に。リンゴのような赤くて丸いもののほか、星形などクリスマスにまつわる形なら何でも素敵。隙間にマツの枝を数本挿すと、さらにクリスマスらしさがアップします。
酸性土壌を好むブルーベリーは、ブルーベリー専用の土(pH4.5~5.5)を必要とします。そのため鉢栽培に向き、寄せ植えにする場合は、クランベリー、イチゴ、ヒースなど、同じ土壌条件で育つ植物と合わせるとよいでしょう。
「生きたクリスマスツリー」になるマツの鉢植え

鉢植えのマツやモミなどの針葉樹は、ドイツではとても人気があります。鉢はコーヒー豆の袋のような麻袋など、茶色の袋で覆い、クリスマスの飾りをピンで留めれば、素敵なデコレーションに。耐久性があり、みずみずしい緑の枝とのコントラストが際立つ、美しい樹皮を持つブナの枝を装飾に取り入れるのもよいでしょう。このように、近年は“生きた”クリスマスツリーを購入するのがますます人気のトレンドになっています。
日本でも、鉢植えのモミの木など、生きたクリスマスツリーを貸し出すサービスを行っているところがあります。本物の木ならではの特別な雰囲気を味わえるので、こうしたレンタルサービスを利用してみるのもいいですね。
木箱などを活用して季節の特設コーナーを設置

設置もメンテナンスも簡単なのは、クリスマス用に特設ディスプレイコーナーを作ること。
木箱やバスケットなどに大きめの針葉樹の枝を入れ、フェアリーライト、マツボックリ、赤いクリスマスレコレーションで飾り付ければ、簡単に素敵なクリスマスディスプレイが完成します。銀色の金属製バケツなどを使ってもいいですね。
クリスマスの飾りには、赤い実ものも欠かせません。ピラカンサの真っ赤な実は特に素敵です。小さな赤い装飾用のリンゴ、ローズヒップ、ヒイラギの実もおすすめです。苔はフェルトと組み合わせると、優しく柔らかな雰囲気を演出できます。フェルトもまた、シンプル&ナチュラルなクリスマスデコレーションに活躍する自然素材です。

ホリデーシーズンの特別な時間に欠かせない静けさと安らぎを演出するためには、よく検討されたカラーコンセプトが重要。私のお気に入りは自然な色彩に、赤や金のアクセントを少し加えること。ランタンには白や赤のキャンドルを灯します。
星やトナカイ、サンタクロースなどの形をした木製のオブジェやオーナメントも、クリスマスの演出に欠かせない存在。風で飛ばされたり、邪魔になったりしないように配置するのがポイントです。
クリスマスらしい雰囲気を演出するフェアリーライト

クリスマスの演出で、忘れてはいけないのがライティング。玄関扉や手すり、フェンスに、フェアリーライトを飾ってみましょう。私にとっては、クリスマスシーズンには、青や寒色系の光ではなく、温かみのある暖色系の光が欠かせません。フェアリーライトの小さく優しい光は、温かみのある素敵な雰囲気を演出します。
国によって異なるクリスマスディスプレイ

ドイツでは、クリスマスの飾り付けは控えめな印象が残っています。アメリカと比べると非常にシンプルで、主に緑と赤を基調とし、またディスプレイには本物のモミやマツの枝など、自然素材が使われることがほとんどです。生花ならではの清々しい香りとフレッシュな見た目は、クリスマスと冬の雰囲気を存分に感じさせてくれます。
クリスマスディスプレイのシーズンは長く、個人宅ではクリスマスイブ(12月24日)の約4週間前から始まりますが、街中の商店街やショップでは11月頃から始まり、星の形をしたイルミネーションがたくさん設置されます。こうしたディスプレイは翌年の1月初めまで飾られます。

一方、アメリカに滞在した折には、家々のフロントガーデンに豪華絢爛なクリスマスデコレーションが飾られている様子をよく目にしました。こうしたフロントガーデンには、大抵広い芝生の庭と、まっすぐ玄関へと続く小道があり、中にはテラス付きの住宅もあります。クリスマスデコレーションは、そんな広い芝生一面を埋め尽くすほど大規模で、ソリやサンタクロース、そして周りにちりばめられたプレゼントなど。電飾は赤、青、黄、白と眩しすぎるほど色鮮やかで、点滅しているものも少なくありませんでした。
ドイツでもこのような飾り付けは時々見かけますが、アメリカとは比べものになりません。
アメリカではクリスマスリースもとても大きく、緑のモミの木と大きな赤いリボンで作られ、お店や家、職場、あるいはただの空き地など、あらゆる場所に飾られていました。これらのクリスマスの飾り付けを全て飾るのは大変な作業。一番素敵で大きな飾り付けをしようと、まるで競争のように熱心に取り組んでいる人もいました。
クリスマスの飾り付けは国によって異なり、素材や趣向もさまざまです。
地域性が現れるクリスマスピラミッド

ドイツ発祥で、西洋諸国に普及しているクリスマスピラミッドをご存じでしょうか。その名のとおりピラミッド形の外観をしていて、ろうそくを立てて火を灯すと、その熱で発生する上昇気流により上部の羽根がメリーゴーランドのように回るという木製のクリスマス飾りです。

クリスマスピラミッドは、よく家の窓辺、道を歩く人からも見えるように飾られます。その場合、カーテンは常に閉め切りにはせず、家の中を垣間見ることができるようにしています。

大型のクリスマスピラミッドは、ドイツ各地のクリスマスマーケットの目玉となることもあります。中でも有名なのは、クリスマスピラミッド発祥の地で、文化に深く根付くエルツ山地。エルツ山地のクリスマスピラミッドは、回転式の木製台座と、日常生活や、天使やキリスト降誕、キャロル歌手、動物などのクリスマスのモチーフで構成されています。
こうしたクリスマスディスプレイは、クリスマスの魔法を演出するのに欠かせない要素です。
