
このほど、経済動画メディア「ReHacQ(リハック)」の高橋弘樹プロデューサー、元衆議院議員で人材派遣会社に勤務経験もある宮崎謙介氏を招いて、海老原氏との鼎談が行われた。
激論と笑いで盛り上がったトークの、ごく一部をお届けする。

◆低偏差値の大学をつくりすぎて大卒が激増
「大卒だからホワイトカラーになれる時代は、もうとっくに終わった」。今回の鼎談で、海老原氏はそう語った。氷河期から現在にかけて、大卒余り、ホワイトカラーの受け皿不足が深刻化しているというのだ。
だとしたら、今から転職を考えている大卒ミドルや、子どもを将来大学に入れる世代にも、大いに関係がある話だ。
職業に貴賤はないが、ホワイトカラーを希望する大卒が多いのは事実。だが、もう「大卒」に意味はないのだろうか?

そのひとつは、大学卒業者の急増。バブル期の1980年代、四大卒は年37万~40万人でした。それが氷河期に急増して、2001年には年54万人を超えた。約1.5倍ですよ。
これは大学をめちゃくちゃに新設したからで、増えたのはほぼ偏差値50以下の大学ばかりです。つまり大学が下方に広がったわけ。その結果、職にあぶれる大卒も増え、大卒の平均収入も下がったんです。
ちなみに現在は59万人以上 です。それなのに今、みんながもっと大学に行けるように、授業料をタダにする「大学無償化」をしようとしている。この政策、合ってます? 僕はおかしいと思う。
宮崎さん、いかがですか?早稲田の法学部ですっけ?
宮崎:いや商学部です。10年ぐらい前、僕が議員だった当時から、これはずっと議論されてました。大学全入時代(入学者より募集定員のほうが多い)なのに、さらに枠を広げようという話があって、「果たして、みんなが大学に行ってホワイトカラーの仕事に就くべきなのか?」という議論をしていましたね。
◆“非ホワイトカラー”に就く大卒が急増中
海老原:もう、大卒だからってホワイトカラーにはなれないですよ。昔なら大学出た人がなかなかやらなかった仕事、“非ホワイトカラー”に就職する大卒が増えているんです。お店での販売員や、飲食店での接客、介護、工場の生産管理とか。
大卒で“非ホワイトカラー” (※)に新卒就職した人数を調べてみたら――1985年に7万人強だったのが、氷河期の2000年には9万5000人、2020年には15万人に激増しているわけ(学校基本調査より)。
つまり、氷河期のせいじゃないんです。大卒余りでホワイトカラーの受け皿がないという、現在に続く問題なんですよ。

※“非ホワイトカラー”は以下3分類の合計
①販売従事者(商品等の販売、一部営業など)
②サービス職業従事者(飲食店での接客、調理、介護など)
③保安・技能・運輸・生産(工場の生産管理、ドライバーなど)

