そんな労働環境の日本において、今回のエピソードは、我々に少なからず希望を与えてくれるかもしれません。
◆家業を支える日常と“愚痴多め”の姉
「肉屋の仕事って大変でしょう?」と問いかけると、今回取材に応じてくれた横溝さん(仮名・28歳)は笑いながらうなずきました。彼の実家は、地元で人気の食肉店を営んでいて、父は社長、母は専務。そして3歳年上の姉がいるそうです。
その姉は、高校時代に全国大会に出場するほどのバドミントン選手で、その後の進路は、隣県の大学にスポーツ推薦で入学し、今は事務機器販売メーカーに勤めています。しかし、話を聞けばーー、
「給与が安くて、いつも16万円くらいしか振り込まれないんだよね。何か副業でも探さなきゃ」

姉の愚痴は一度始まれば止まらなくなり、「姉ちゃん、よくそんな給料でやっていけるなあ」と適当に相づちを打ちながら話を聞いていたといいます。
◆突然真っ赤なレクサスで現れた別人のような姉

店の外に目をやると、そこには真っ赤なスポーツカーが停まっていました。見慣れない高級車に思わず目を奪われていると、中から出てきたのは、なんと姉だったのです。
「姉ちゃん? え、これ誰の車?」
驚いて声を上げると、彼女は涼しい顔で答えました。
「私のだよ。買ったの。レクサスのLC。カッコいいでしょ?」
さらに驚かされたのはその服装でした。いつものデニムやフーディー姿ではなく、ベージュのパンツにタンクトップ。程よくヘルシーな肌見せもあり、以前の“野暮ったい姉”のイメージは跡形もありませんでした。
「副業があるから早めに帰るね」と言い残して、夕方にはさっさと立ち去った姉。横溝さんは「あの低賃金でレクサス? 副業かなにかしてる?」と疑問を募らせたといいます。

