◆推しの配信者がまさかの……
それから1週間経ったある日。横溝さんは、いつものようにスマホで推しライバーの配信を見ていました。色白で目が大きく、会話も軽妙な彼女に癒やされるのが日課だったといいます。しかし、その日の配信中にアクシデントが起きました。突然映像が乱れ、次の瞬間、美しい顔を覆っていたフィルターが外れてしまったのです。そこに現れた素顔は……、見間違えようもない、自分の姉だったのです。

あまりの衝撃に、横溝さんはスマホを手から落としてしまいました。すぐに拾い上げると、画面の向こうで姉は、何事もなかったかのように流暢に話を続けていました。
「自分が投げ銭してた相手が姉ちゃんだったなんて……。頭が真っ白になりましたね」
彼はその瞬間を、今でも忘れられないと語りました。
◆始まった姉弟二人三脚の副業
後日、思い切って姉に尋ねてみると、意外にもあっさりと事実を認めたといいます。「うん、私だよ。あれが副業。時間あるなら手伝ってよ」

「正直びっくりしましたけど、あんなに生き生きしてる姉を見たのは初めてかもしれません。レクサスに乗って登場した時も驚きましたが、それ以上に『自分の道を見つけたんだな』って思えましたね」
姉の変化は単なるイメチェンや贅沢ではなく、人生を自分らしく切り拓く姿そのものでした。そして横溝さん自身も、推しの正体が姉だったという数奇な縁を受け入れ、共に歩む覚悟を固めたようです。
<TEXT/八木正規>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

