
待ちに待ったゴールデンウィークがやってきました。
新年度がはじまってせわしない日々が続いていましたが、やっとひと息といったところ。
ゴールデンウィークには楽しい予定を立てている人も多いと思いますが、せっかくなら、ここまでの疲れとストレスを解消する過ごし方をしてみませんか?
キーワードは「緑の力」です!
【緑の力①緑茶】お茶を「一服」して初夏の不調を予防しよう

5月1日は「八十八夜」です。八十八夜とは、立春から数えて八十八日目のこと。「夏も近づく八十八夜」という茶摘みの歌のフレーズにもあるように、茶どころでは新茶の収穫が最盛期を迎えます。
また、この頃になると霜が降りなくなることから、農家では田植えや種まきなどの農作業が本格的にはじまります。末広がりの「八」の字が重なっていることや、「米」という字は「八十八」の文字が組み合わさっていることからも、八十八夜は農作業において縁起がいい日とされてきました。
ところで、お茶を飲むことを「一服」と言いますよね。これはなぜかというと、緑茶がもともと薬だったため。
薬を飲むことを服用、服薬などと言うように、古くは緑茶を解毒剤として飲んでいたことの名残りで「一服」と表現するのだそうです。
実は漢方の世界では、今でも緑茶を薬として用いています。かぜによる頭痛や発熱などに用いられる「川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)」という漢方薬には、緑茶は「茶葉(ちゃよう)」という生薬名で配合されているのです。
そして漢方と同じ東洋医学である薬膳でも、緑茶は重要な薬膳食材のひとつ。緑茶には体内の余分な熱を冷ます性質や、解毒、利尿、消化促進などの性質があり、熱感を伴う頭痛、目の充血、めまい、のどの渇き、消化不良、むくみなどに用いられています。
こうした緑茶の特徴は、今の季節の養生にぴったり。気候が暖かくなるにつれて強くなるほてり、ストレスによる頭痛や胃腸の不調などをやわらげるのにおすすめです。
ゴールデンウィークは旬の新茶を一服して、疲れた心身に癒やしを。ほてりや頭痛が強い場合は、緑茶に菊花やミントを加えるといいですよ。なお、ほてりやのぼせなどの熱感があってもおなかを冷やすことはNGなので、温かいお茶を飲んでくださいね。
【緑の力②森林】風薫る5月は、森林浴で五月病対策

5月4日は「みどりの日」です。もともとこの日は植物をこよなく愛した昭和天皇にちなんでいますが、まさに新緑の季節にぴったりの祝日ですよね。
そんなみどりの日を含むゴールデンウィークにおすすめしたい行楽は、森林浴です。
環境省のHPによると、森林浴には次のような効果が認められているといいます。
・森林浴によってがん細胞を攻撃するNK細胞が1日で27%、2日で53%上昇する
・都市よりも森林を眺めると副交感神経の活動が1.5倍増加し、ストレスホルモンが13%減少する
・森林の香りは副交感神経の活動を46.8%上昇させる
・鳥のさえずりはストレス緩和に効果的で、水の流れる音はポジティブな感情をもたらす
樹木から放出される香り成分のフィトンチッドにリラックス作用があることはよく知られているので、森林浴というとこのフィトンチッドを浴びるイメージが強いかもしれません。でもそれだけでなく、美しい緑を目で見て、香りを鼻で感じて、音に耳をすまし、肌で風を感じることにも健康効果があるんですね。五感で心身を癒すことができるのが、森林浴の魅力というわけです。
そんな魅力たっぷりの森林浴に、ぜひ東洋医学もプラスしてみませんか?
木の近くに立ったら、まずはゆっくりと深呼吸をしてみましょう。
木は太陽の光を浴びて酸素を生み出し、新鮮な気(き=エネルギー)をたっぷりと放出しています。その気を呼吸によって体内にとり入れると、疲労回復につながります。
さらに、両腕を上げて思いっきり伸びをして、両わき腹をしっかり伸ばしましょう。わき腹を伸ばすと気のめぐりがよくなり、ストレスがやわらぎます。
そして、ぽかぽかと暖かい5月の日光には陽気(心身を活動的に導く熱エネルギー)があふれているので、その陽気をとり入れるために日光浴をすることもおすすめです。背中は陽気を吸収しやすい場所なので、うつ伏せになって15分程度日光浴をするといいでしょう。紫外線を浴びすぎないように注意してくださいね。
森でランチをするなら、大葉おにぎりがおすすめ。米は気を補って疲労を回復し、大葉(しそ)は気をめぐらせてストレス緩和を助けます。
森林浴で疲労とストレスを解消すれば、きっとゴールデンウィーク明けの五月病も予防できることでしょう。

