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【50代のこよみ養生 Vol.29】熱中症対策の「暑熱順化」は、発汗を整える薬膳をとり入れて

【50代のこよみ養生 Vol.29】熱中症対策の「暑熱順化」は、発汗を整える薬膳をとり入れて

こよみでは、今日(5月21日)から二十四節気(にじゅうしせっき)「小満(しょうまん)」です。節気名の由来は、草木が生い茂って生命力が満ちてくる頃であることから。確かに、立夏(5月5日~)から夏がはじまって早々に陽気が強くなり、エネルギーが満ちてきた感じがしますね。
この時期から意識したいのが、汗をかくトレーニングである「暑熱順化」。熱中症対策として、薬膳もプラスしながら実践しませんか?

なぜ、汗をかくトレーニング「暑熱順化」が熱中症対策になる?

近年は熱中症対策として「暑熱順化」が推奨されています。暑熱順化とは、汗をかくトレーニングをして暑さに体を慣らすこと。日本気象協会は、暑熱順化をはじめる時期を地域別に示す「暑熱順化前線」を毎年発表していますが、今年はおおよそ5月中旬~下旬頃から暑熱順化をはじめるのがいいとされています。

なぜ汗をかくトレーニングが必要なのかというと、汗腺の機能を鍛えるため。運動不足や空調の影響などで汗をかかない生活が長くなると、汗腺が衰えて汗をかきにくくなり、体温調節がうまくいかず体温が上昇しやすくなります。また、血液中の塩分が汗とともに多く漏れ出やすくなり、べとつく汗をかきやすい状態に。汗によって体内の塩分を失いやすく、脱水症状になりやすいのです。

一方、運動などによって日頃からよく汗をかいていると、汗腺が鍛えられているため汗による体温調節機能がしっかり働き、体温が高まりすぎないうちから適量の汗をかくことができます。また、塩分の少ないサラサラした汗が出るため、蒸発しやすく、体内の熱がよく発散されるほか、塩分の流出が少ないため脱水しにくいことも大きな利点です。

こうした理由から、本格的に暑くなる前に暑熱順化をするべきだと言われるようになりました。

汗腺を鍛える主な方法は、ウォーキングやジョギング、軽い運動などで汗をかくことや、毎日湯船につかって汗をかくことなど。お風呂はソルトバスにすると発汗が促されるので、さらに効果的です。2週間ほど続けると暑熱順化ができ、さらさらの汗が出るようになるので、無理のない範囲で実践して体を暑さに慣らしていきましょう。

発汗機能を整える薬膳で、暑熱順化をよりスムーズに

暑熱順化のための汗をかくトレーニングを、薬膳で体の内側からもサポートしていきましょう。
東洋医学では、発汗は衛気(えき)営気(えいき)の働きが深く関係していると考えられています。
衛気、営気ともに気(き=エネルギー)の一種。衛気は皮膚などの体表面を流れるエネルギーで、その役割のひとつに毛穴の開閉を調整して発汗をコントロールする働きがあります。一方営気は、血液を作り出し、血液中の栄養成分として体内をめぐっている気。汗は血液から生まれるので、営気も汗と深い関わりがあります。

この体表面を流れる衛気と血液中を流れる営気のどちらか一方、もしくは両方が不足してバランスが悪くなると、汗をかきにくくなったり逆に汗をかきすぎたりして、発汗が正常に行われなくなることに。そこで、衛気と営気のバランスを整える薬膳をとり入れると発汗機能が整い、汗をかくトレーニングをサポートすることができるのです。

衛気と営気のバランスを整える代表的な薬膳食材は、なつめはちみつなつめのはちみつ漬けを作ると、ふたつの食材を一緒にとることができます。作り方は、洗ったなつめ数個を食べやすい大きさにカットして保存容器に入れ、はちみつを適量注いで数日間置くだけ。そのまま食べてもいいし、トーストに乗せたり、白湯やお茶に入れて飲むのもおいしいですよ。汗をかきにくい人だけでなく、汗をかきすぎてしまう人寝汗が気になる人にもおすすめ。暑熱順化が完了した後も夏の間はなつめとはちみつをとり続けると、夏バテ予防にも役立ちます。

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