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【50代のこよみ養生 Vol.32】“寒い梅雨”と“蒸し暑い梅雨”の食材の選び分け方

【50代のこよみ養生 Vol.32】“寒い梅雨”と“蒸し暑い梅雨”の食材の選び分け方

梅雨の不調の原因は、湿気の影響で体内に余分な水分がたまること。そのため梅雨の養生は、薬膳で体内の“水はけ”をよくすることが重要なポイントなのですが、ここでカギとなるのが“寒い梅雨”と“蒸し暑い梅雨”の食材の選び分け方。寒いときは体を温める食材を、暑いときは体の熱を冷やす食材を選んで、不調を予防していきましょう。

「入梅(にゅうばい)」は梅仕事を楽しもう

今日は「入梅(にゅうばい)」の日。いわゆる「梅雨入り」は気象庁が気象データをもとに梅雨に入ったことを宣言するものであるのに対し、入梅は季節の移ろいを示す昔ながらのこよみで、農民が田植えの時期を決める目安としていました。旧暦の時代では二十四節気の芒種(ぼうしゅ=2025年は6月5日~)のあとの壬(みずのえ)の日とされていましたが、現代は太陽の運行にもとづいて入梅の日付が決められています。

「梅雨」という名が「梅の実が熟す時期に降る雨」に由来している通り、入梅の時期は梅の実が旬。黄色く色づいた完熟梅が出回る季節です。少し前から出回っている青梅は梅酒や梅シロップに適していますが、今が旬の黄色い完熟梅は梅干しに最適。もし手に入るなら、この入梅の時期に梅干しを漬けるのもいいですね。

薬膳的に見ると梅干しには体内の余分な熱を冷まし、汗のかきすぎを抑えて水分を補う性質があり、熱中症夏バテ、暑気あたり、脱水症などの真夏の不調対策にうってつけ。この時期に梅干しを漬ければ、真夏を迎える頃には食べられるようになります。梅雨明けの暑さへの備えとして、口の中に広がる酸っぱい味を想像しながら梅仕事を楽しむ……ジメジメした季節のいい気晴らしにもなりそうですね。

梅雨の薬膳は「脾(ひ)の働きを高める食材」をよくとることが基本

前回の「50代のこよみ養生 Vol.31」でもお伝えしたように、梅雨の不調対策は体内にたまる余分な水分を排出することであり、その要は脾(ひ)にあります。脾とは五臓のひとつで胃腸の働きに相当し、体内の水分代謝を整える役割を持つ臓。そのため梅雨の薬膳は、「脾の働きを高める食材」をよくとることが第1のポイントとなります。まずは、次に挙げる「脾の働きを高める食材」をベースの食材として、献立を組み立ててみてください。

・お米
うるち米は脾の働きを高めて食欲低下、倦怠感、むくみ、下痢などを抑える食材です。同じ穀類である小麦は、五臓の心(しん)を補って体内の余分な熱をとる性質に優れているので、真夏向きの食材。梅雨の時期の主食はお米を中心にするのがいいでしょう。

・そば
そばは気(き=エネルギー)のめぐりをよくして脾の消化作用を促進する食材で、胃腸虚弱、食欲不振、下痢などが気になるときに適しています。冷たい飲食物は脾を冷やして働きを低下させるので、温かいかけそばがおすすめです。

・とうもろこし
脾の力を補い、利尿作用によって体内の余分な水分を排出してむくみ、食欲不振、おなかのはり、尿の出が悪いなどの不調をやわらげます。今はとうもろこしだけでなくヤングコーンも旬なので、ぜひとり入れて。とうもろこしのひげ茶にも利尿作用があり、梅雨どきの飲み物として最適です。

・豆類
大豆(枝豆)、いんげん、そら豆、グリンピースなどの豆類は脾の働きを補って水分代謝を高め、むくみなどを改善します。炊き込みごはんの具にすれば、お米の効果と相まって梅雨にぴったりの薬膳となります。

そのほか、いも類、ブロッコリー、牛肉、さばなども脾の働きを高めるので、梅雨の季節におすすめです。

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