
お正月が明けて「小寒」の節気となり、一年で最も寒い「寒」の季節となりました。
この時期はホルモンの不調症状が現れやすく、更年期症状が見られることも多くなります。今回は東洋医学で見た更年期症状の原因と養生法について、タイプ別にご紹介していきます。
加齢にともなう精気の減少によって更年期症状が起こる

今日は二十四節気の「小寒」の4日目。寒さが厳しさを増すのにともなって、眠れない、顔や手足がむくむ、めまいや耳鳴りが起こる……などの不調が気になり始めていませんか? これらはいずれも更年期に起こりやすい不調で、特に冬はこうした症状が現れやすいのです。
東洋医学では、冬は「腎」の季節とされています。腎とは“生命力のもと”である「精気」を貯蔵する場所で、女性ホルモンの分泌にも深く関わっている器官。冬はこの腎の働きが活発になるのですが、負担もかかるため、腎に関わる不調が現れやすく更年期症状も起こりやすくなります。
ではなぜ更年期症状が引き起こされるのかというと、その原因は加齢にともなう腎の精気の減少にあります。精気からは体を温める熱エネルギーの「陽気」と体に潤いを与える血液や体液となる「陰気(陰液)」が生まれているのですが、加齢によって精気が減少するために、陽気と陰気のどちらか(もしくは両方)の不足による更年期症状が現れやすくなるのです。
「陰気」不足による更年期症状の原因と養生法
東洋医学では、更年期症状は大きく「陰気不足タイプ」と「陽気不足タイプ」の2つに分けることができます。このうち、次のような不調が多く当てはまる場合は、陰気不足による更年期症状である可能性が高いといえます。
□頭のふらつき
□めまい
□耳鳴り・聴力低下
□もの忘れ
□頭部や顔面の熱感・発汗
□ほてり
□腰やひざがだるい
□陰部の乾燥
□皮膚の乾燥やかゆみ
□不眠
□動悸・不安感
女性は月経による出血があるため陰気が不足しやすいのですが、更年期になるとその陰気の不足がさらに強くなって、このような症状が見られるようになります。原因は加齢のほかに、夜ふかし、過労、ストレス、セックスのしすぎなども。これらはいずれも陰気を消耗する要因となります。陰気が不足すると乾燥症状が見られるほか、体に熱感が生じてほてりや発汗などが目立つようにもなります。
陰気不足タイプの人は、まずは23時までに就寝することを習慣づけるようにしましょう。23〜3時は1日のうちで陰気が最も強くなる時間帯なので、この時間帯にいかに熟睡できるかが陰気を蓄えるカギなのです。また「50代のこよみ養生Vol.1」でご紹介している、陰気を補う食材をよくとることもおすすめです。

復溜(ふくりゅう)のツボ押しもおすすめです。復溜は内くるぶしの中心から指3本分上、アキレス腱のきわにあるツボで、水分代謝を整えてほてりや熱感を鎮めることが期待できます。指先でやさしく数回押してください。

