
最近目にすることが増えてきた、花粉飛散のニュース。そろそろ花粉症の季節か……と、暗い気分になっている人も多いのではないでしょうか。花粉症対策というと目や鼻の諸症状を抑える話になりがちですが、最も重要なのは花粉に負けない体作り。東洋医学では、花粉などが体内に侵入するのを防ぐ体表面のバリア機能を「衛気(えき)」と呼びます。花粉症シーズンが本格化する前に、この衛気を増やす生活習慣をはじめませんか?
ふきのとうの季節がきたら、花粉症の季節も近い!?

今日は二十四節気の冬の最後の節気となる、「大寒(だいかん)」の3日目。二十四節気それぞれをさらに3つに分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」では、「欵冬華(ふきのはなさく)」と呼ばれる期間になります。
「欵冬」は「かんとう/かんどう」と読み、ふきのことを表しています。「欵」という字には「叩く」という意味があり、ふきのとうが地下から氷を叩き割るように突き上げてくることからこう呼ばれるようになったそう。1年で最も寒い季節でありながら、雪の下からは新しい春の生命がムクムクと目を覚ましてくる様子が伝わってきます。
こうして春のきざしを感じるのは嬉しいものですが、すると気になってくるのが花粉症。最新の花粉飛散予測(日本気象協会16日発表第3報)によると、2月上旬には九州と関東の一部で、2月中旬には関東以西で、2月下旬には北陸と東北南部で、3月上旬〜中旬には東北北部でスギ花粉の飛散が始まる見込みとのこと。一方で、東京都ではすでに1月8日から花粉の飛散が開始したというニュースも。ピーク時期は地域により差がありますが、2月下旬〜3月中旬頃で、飛散量は例年よりやや多くなるという予想。なんとも気が重いですね。
花粉症シーズンが本格化する前に始めるべき予防策とは

花粉症は1970年代以降に急増した現代病で、それ以前にはほとんど見られなかった症状にもかかわらず、2019年の全国疫学調査によると10〜50代の45%以上が発症しているのだとか。今や国民の2人に1人が花粉症だともいわれています。ここまで花粉症が短期間に急増した原因としては、次のような外的要因と内的要因があるとされています。
◉花粉症が急増した要因
・外的要因……スギが大量に植林されたことによる花粉飛散量の増加、大気汚染など
・内的要因……高たんぱく・高脂質の欧米型の食生活、不規則な生活、ストレス、飲酒・喫煙など
花粉症を予防するために私たちが事前にできるのは、免疫機能を整えること。花粉症は体内に侵入した花粉を体が有害な異物とみなすことによる過剰な免疫反応であり、これを防ぐためには、花粉症シーズンの前から生活習慣を見直して免疫機能を整えることが重要な課題なのです。

