
もうすぐ節分ですね。みなさんはなにか行事を予定されていますか?
節分は二十四節気の最後の日であり旧暦の大晦日でもある、まさに大きな“節目”の日です。
寒暖差が大きく体調面でも“節目”となる節分前後の過ごし方を、東洋医学の視点でご紹介します。
豆まきをしなくても豆は食べよう!節分の養生に大豆がおすすめのワケ

今日は二十四節気の「大寒(だいかん)」の10日目、あと4日で節分です。そろそろ冬の節気も終わりに近づいてきました。
節分といえば豆まきですが、最近では豆まきをしないご家庭も多いかもしれませんね。節分には自分の年齢より1粒多い数の豆を食べるならわしがありますが、節分に豆を食べることは薬膳の視点から見てもとてもおすすめなんです。
「50代のこよみ養生 Vol.11」でもご紹介しましたが、立春前の約18日間は冬の土用にあたり、脾(ひ=胃腸)の働きを補うといい時期になります。豆まきに使う大豆は脾の働きを補う食材で、特に脾の“水分をめぐらせる働き”を助けて余分な水分の排出を促すため、次のような不調の改善が期待できます。
・胃腸虚弱をともなうむくみ
・おなかのはり
・下痢
・白っぽいおりもの
・尿の出が悪い
また、大豆には気(き=エネルギー)や血(けつ≒血液)を補う性質もあるので、次のような不調の改善にも役立ちます。
・筋肉がやせる
・筋肉のけいれん、ひきつり
・貧血
・不眠
・もの忘れ
冬の土用の最後の日でもある節分は、煮豆や豆入りスープ、枝豆ごはんなど、大豆や枝豆を使ったメニューを加えて脾の養生を。体をよりよい状態に整えて、次の季節を迎えましょう。
立春の日はアスリートのように1年間の健康管理を考えてみる

節分の翌日、2月3日からは「立春」。いよいよ春の節気のはじまりです。立春の日は二十四節気を一巡して最初の節気に戻る日でもあり、旧暦(太陰太陽暦)のお正月でもあります。そこで、春夏秋冬のスタートであり新年のスタートでもあるこの日に、1年を通した体の変化について考えてみませんか?
二十四節気は、太陽が1年かけて地球を1周する通り道を24等分して決められたこよみ。そのスタートが立春で、次のように四季が区切られています。
◉春(2025年2月3日~5月4日)
・立春→雨水→啓蟄→春分→清明→穀雨と節気が進む
・五臓の肝(かん)の働きがさかんになる
・エネルギーを上向きに発散する季節
・植物に例えると「芽が出る」
・養生のポイントは「のびのび過ごす」
・ダイエットやデトックスに最適な季節
◉夏(5月5日~8月6日)
・立夏→小満→芒種→夏至→小暑→大暑と節気が進む
・五臓の心(しん)の働きがさかんになる
・エネルギーを燃焼する季節
・植物に例えると「花が咲く」
・養生のポイントは「活動的に過ごす」
・冬の冷えを改善するには夏に冷たいものを食べすぎないことが重要
◉秋(8月7日~11月6日)
・立秋→処暑→白露→秋分→寒露→霜降と節気が進む
・五臓の肺の働きがさかんになる
・エネルギーを内向きに収れんさせる季節
・植物に例えると「実がみのる」
・養生のポイントは「おだやかに過ごす」
・皮膚や粘膜のケアに力を入れる季節
◉冬(11月7日~2026年2月3日)
・立冬→小雪→大雪→冬至→小寒→大寒と節気が進む
・五臓の腎(じん)の働きがさかんになる
・生命力を蓄える季節
・植物に例えると「根に栄養を蓄える」
・養生のポイントは「心身を休ませて英気を養う」
・冬にしっかり体力を蓄えることが1年間の健康の土台に
植物の営みが季節ごとに変わっていくように、私たち人間の体も春夏秋冬で活動が変化し、ふさわしい過ごし方や養生法も変わっていきます。シーズン中はエネルギッシュに過ごし、オフシーズンは体を休ませるアスリートのように、この機会に1年間の体の変化を長期的な視点でとらえて、季節ごとの健康管理を計画的に考えてみるのもいいですね。

