◆ブレイク時の過酷なスケジュール

池辺愛:朝、テレビ局に入って夜まで収録をして、その足でラジオ局(FM NACK5)に向かい、深夜1時から6時までの5時間の生放送をして、そのままテレビ局に行って、また1日収録といったスケジュールもありましたね。
ーー睡眠時間、少ないどころかないですね(笑)。
池辺愛:局の廊下で転がって仮眠をとってました(笑)。
ーー過酷ですね! これに、営業や地方仕事も入るとさらに大変そうです。
池辺愛:深夜1時から6時までの5時間のラジオの生放送のあと、そのまま新幹線に乗って下関まで行って、そこから関釜連絡船で夜中のうちに釜山に渡り、さらに列車でソウルに向かうというロケもありましたね。途中途中でタイツ姿に変身しながら(笑)。
ーーモエヤンさんを、時代が求めていたんですね。そんな中、なぜ解散に至ったんでしょうか?
池辺愛:相方が「結婚するから全身タイツは脱ぎます」と(笑)。
◆長年続けたラジオ番組、いまだにリスナーとの交流が

池辺愛:コンビでラジオをやっていたこともありましたが、その番組はピンで担当させてもらいました。
ーーしかも、月〜木曜の朝に4時間近い生放送。ほとんどライフワークですね。ラジオはもともと好きだったんですか?
池辺愛:中学3年のとき、体を壊して入退院を繰り返した時期があったんです。舞台に出たり見たりしたいと思っても、それが叶わずに悔しい思いをしていて。そんなときに、病室で聞いていたラジオに救われたんです。
当時、心身ともに辛かったんですが、ウルフルズの『ガッツだぜ!』がラジオでよく流れていて、とても力をもらいましたね。4人部屋の病室で、皆さんご病気でご高齢でもあったので仕方ないんですが、部屋の雰囲気がとても暗かったんです。
「みんなでラジオを聞いたら楽しいかも!」と、いざ聞いてみたら会話が生まれて、部屋が明るくなったんですよ。それで「ラジオは、心をこんなに明るくしてくれるんだ」と。
ーーラジオは発信側と受け手の距離感も近いですしね。
池辺愛:そうですね。だから、私がやらせてもらっていた番組も、放送を重ねるごとにリスナーさんと信頼関係を作っていった感覚がありました。番組終了から数年経ちますが、今でもリスナーさんたちからSNSを通じて応援の言葉をいただけます。2021年東京都議会議員選に出馬したときにも、リスナーさんが仕事を休んで手伝いに来てくれたりして、本当に支えられていますね。

