◆出産を経て、都議選への出馬を決意
ーー2021年の都議選に出られた経緯は?池辺愛:2017年と2020年に出産してたんですが、いずれも「ラジオを続けられるのかな?」と悩みました。私のようにフリーランスで活動をしていると、産休や育休の給与保証はないので、休む間はもちろん無給です。結果的には、第2子出産のタイミングで大好きなラジオが終了することになったんです。
ーーどちらも大事なことなのに、取捨選択を迫られる状況ですね。
池辺愛:第1子出産の時、出産から2ヶ月で番組に戻していただいていて、局のみなさんにはとても感謝しています。ただ、理解が深まっているとはいえ、女性が出産や育児と並行してキャリアを積み上げられたり、本当に安心できる補償が得られたりできる社会には、まだまだ遠いんだなと、身をもって経験しました。
周囲の女性に聞いても、似たような状況に直面していて。安心して結婚や出産に臨みつつ、キャリアを継続させられる社会になればいいなと思って出馬したんです。
◆資格を取ったのは、「教育」のためでもある
ーー残念ながら都議選には落選してしまいましたが、キャリアコンサルタントにチャレンジしようと思ったのも同様の理由ですか?池辺愛:それも理由の一つですね。終身雇用が崩れている今の時代。将来、年金がきちんと支給されるかも不安ですよね。ゆえに、ひとつのことを突き詰められる人は限られてくると思います。色々なことを経験したうえで得た知見を活かし、キャリアに悩む方の力になれたらいいなと。
ーー他にも理由があるんですか?
池辺愛:「どういうキャリアなの?」と思われそうな私の人生(笑)。そのおかげで、中学校や高校の「キャリア教育」の授業に呼んでいただくことがあって。これまでは、自身の経験について話してきましたが、あくまで一例にすぎません。「教育」として、何を伝えるのがふさわしいか考えるようになった結果、もっとキャリアについて勉強をして、伝えられることの幅を広げたいという気持ちが芽生えて。今回、資格を取ったのはこうした理由がありました。
ーー子育てと仕事をしながらの勉強は、大変ですよね。
池辺愛:はい、とても(笑)。家族の協力が追い風になったのは間違いありません。合格したときは、夫が冗談めかして「俺のおかげやな」と言っていましたが、実際その通りだと思います。

