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伝統観葉植物・おもと(万年青)|冬映え満点の魅力をプロが徹底解説

伝統観葉植物・おもと(万年青)|冬映え満点の魅力をプロが徹底解説

おもとが買える場所

専門業者から買う

豊明園

初心者向けからマニア向けの名品まで揃うのが、おもと専門業者です。
国内には数多くのナーサリーがありますが、今回は本記事にご協力いただいた3つの生産者を紹介します。

愛知県の老舗「豊明園」は、100年以上おもとの生産を続ける名門で、4代目の水野豊隆さんはでも分かりやすくおもとの魅力を発信しています。

また、茨城県の「春光園」は、日本おもと名品展で12年連続1位、内閣総理大臣賞などを受賞するトップクラスの実力者。2代目の酒井宏幸さんのでは、おもとを“アート”として追求する姿勢が伝わります。

前出の苔玉仕立ての写真を提供していただいた長野県の「田哲園」も、3代目の田中悠介さんが、やで、積極的におもとの楽しみ方を発信しています。

気鋭の専門家たちが丹精込めて育てた逸品は、下記から購入できます。




さらに、「日本おもと業者組合」のでは、全国の加盟店一覧も公開されています。
お住まいの地域に近い専門店を探したい場合は、下記リンクが便利です。

園芸店で買う

筆者が都内および近郊の園芸店を調査したところ、おもとを扱う店は多くありませんが、以下の店舗では実際に販売を確認しています。

【大手園芸店】
(東京都練馬区)、(東京都世田谷区)、ヨネヤマプランテイション (神奈川県横浜市)。

【ホームセンター】
(神奈川県横浜市)

日本おもと協会に問い合わせて購入する

「日本おもと協会」とは

日本おもと協会

日本おもと協会は、日本古来の植物「おもと(万年青)」に関する事業、具体的には、新品種登録審査および名称の登録・管理、展示会開催、おもと会報と銘鑑の発行、調査研究、研究会や講演会と国際交流事業などを行っています。
戦前の1931年に前身組織の「日本万年青聯合会」が結成されて以来今日まで、その活動は、おもとの伝統と古典美を守り、園芸品種としての普及とその芸術性の振興を図り、情操豊かな文化の発展に寄与しています。

URL:

まとめ|伝統と現代をあわせ持つ、おもと

おもとは、はじめはどこか敷居が高く感じる植物でしたが、日本おもと協会の近藤さんのおかげで、その世界をしっかり理解することができました。
これまで観葉植物というと、この連載でも取り上げてきたポトスやモンステラなど、亜熱帯の植物に目が向きがちでした。
しかし、日本にもこれほど歴史が深く、美しく、魅力にあふれた観葉植物があるとは、植物の懐の深さには驚かされるばかりです。

さらに、おもとには鉢や道具などの周辺アイテムも豊富で、集めたり選んだりする楽しさがあります。
本記事を制作していて、その奥ゆきのある世界観の虜になってしまいました。

おもとは、古典植物としての落ち着きと、現代の観葉植物としての美しさを同時にもつ稀有な存在です。
日本の伝統に触れながら、自分だけの一鉢を育てていく時間は、きっと豊かで特別なものになるはずです。

読者プレゼント!|:加賀軽石を1名様に

加賀軽石

今回の記事に合わせて、ちょっとした嬉しいプレゼントをご用意しました。
筆者のおもと植え替え映像の中で近藤さんも使用していた「加賀軽石」。
現在は入手がかなり難しいのですが、じつは筆者も多肉植物のブレンド用土として愛用していて、手元にたっぷりストックがあるんです。
そこで、ご応募いただいた方の中から抽選で1名様に、小粒玉(約3〜5mm)を少量(400g)ではありますがお裾分けさせていただきます。

加賀軽石とは?

石川県金沢市の限られた地域でのみ採掘される特別な小粒軽石で、無数の連通気孔を持つのが最大の特徴。
空気と水分の小さな部屋がぎゅっと詰まった天然素材で、これを普通の培養土に少量混ぜると、植物の根が呼吸しやすくなり、ぐっと元気に育ってくれます。
粒が硬くつぶれにくいため通気性が高く、保水力と排水性が絶妙なバランスで共存。
水を抱えつつも過湿にはならず、気孔に吸い込まれた肥料分をゆっくりと植物に届けてくれる“賢い小石”です。

おもとはもちろん、ラン、盆栽、サボテン、多肉、鉢花のブレンドにもぴったり。
無臭・無害で扱いやすいのも嬉しいところです。
興味のある方は、ぜひこの機会に下記リンクよりご応募ください。

「加賀軽石」プレゼント応募フォーム < class="popup-close">×</>

万年青(おもと)の学名「 Rohdea japonica Roth(ローデア・ジャポニカ・ロート)」。
この名には、18世紀〜19世紀初頭の植物学史を彩るエピソードが隠れています。

まず “japonica” は「日本の」という意味のラテン語で、その名のとおり、おもとは日本原産の植物です。
“Rohdea” はドイツの植物学者マイケル・ローデ(Michael Rohde)にちなんだ属名で、18〜19世紀ドイツの植物学者アルブレヒト・ヴィルヘルム・ロート(Albrecht Wilhelm Roth)が、彼の功績を讃えて名付けました。

ちなみに、もともとの標本は、スウェーデンの植物学者 カール・ツンベルク(Carl Peter Thunberg)が江戸時代の鎖国期に、オランダ商館付き医師として長崎・出島で採集したものです。
“植物分類学の父”と称されるカール・リンネ(Carl von Linné)の弟子でもあったツンベルクは、日本の植物研究に特に熱心でした。
当時、多くの小国は欧米の列強国に植民地支配され、植物も往来とともに移動することが多かったのですが、鎖国を行っていた日本は唯一、長崎の出島以外で他国との交流がなく、ツンベルクにとって手付かずの植生の宝庫となったのです。

つまり、この学名には、日本とヨーロッパを結んだ植物学者たちのリレーの物語が込められています。


【出展】
Wikipedia.USA-1
Wikipedia.USA-2
・英国の日本美術史家 Timon Screech(ティモン・スクリーチ)氏のロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)教授時代の

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斑とは、葉に入る白や黄色の模様のことで、おもとの世界では「柄(がら)」とも呼ばれます。
これは葉の一部がうまく葉緑素を作らないことで生まれる自然な変化で、品種ごとに形や入り方もさまざま。
光に映えるため、おもと鑑賞の大きな魅力になっています。
ただし、斑の入らない品種もあります。

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実が付くということは、もちろん花も咲くということ。
おもとの花は夏頃に咲きますが、その姿はツクシのように地味で、鑑賞花としての面白味はほとんどなく、古典的な鑑賞の世界ではあまり注目されない存在です。

ただし、ハイブリッドを作出するために交配を行う方にとっては、当然ながら花は重要視されます。
とはいえ、やはり植物である以上、花が咲くのは嬉しいもの。
特に初めておもとを育てる方にとっては、そんな存在感の薄い花でも、いざ開花したら十分に喜びを感じられるはずです。

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舞子獅子は、葉姿の美しさと丈夫さが魅力のおもとです。
写真の株では、葉の表面を勢いよく流れる乳白色のライン状の斑、いわゆる「縞柄(しまがら)」が、カールした葉の存在感をさらに引き立てています。
柄の美しさと、葉のクシャッとしたカールが自然に出ることには、思わず感動させられます。
まさに文字どおり獅子が舞うかのような絢爛さを誇る品種で、最初に舞子獅子を手に入れたら、きっとおもと沼にどっぷり浸かってしまうことでしょう。

【出典】豊明園

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縞獅子は、葉全体に入る乳白色の縞模様が魅力の「縞柄(しまがら)」タイプのおもとです。
葉の巻きが控えめな分、縞がよりはっきりと映え、気迫ある舞子獅子に比べると、落ち着いた雰囲気でじっくり鑑賞できる印象があります。
ちなみにおもとの世界では葉に柄が入っていないプレーンなものを「青」と呼び、この青に対して、縞柄が入ったものは5倍の値がするといわれています。
そんな縞が美しい縞獅子ですが、意外にも扱いやすいことから、初心者にもおすすめできる品種です。

【出典】豊明園

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力和は、丸みを帯びた可愛らしい葉と独特の葉芸が楽しめる羅紗系のおもと。
丸みを帯びた葉に、おもと用語で「覆輪」と呼ばれる、葉の縁を覆うような柄が美しく、その中を龍がそそり立つという、コンパクトな葉の中にちょっとした葉芸の小宇宙が広がるとても魅力的な品種です。
性質が丈夫で葉も次々と繰り出し、成長が早いため、比較的育てやすいのも特徴。
愛知県の園芸家、杉山力蔵氏と岡田和吉氏が2人で作出した品種のため、その名から一字ずつ取って「力和」という名前になったそうです。

【出典】豊明園

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瑞泉は、小型で肉厚の葉に、縞や、葉の両側の縁が熨斗を折ったように折れている”熨斗葉”という葉芸が現れるなど、多彩な葉芸で楽しませてくれる人気品種です。
見た目は華やかで、採光や肥料が多少強くても丈夫に育つタフも兼ね備えていることから、おもと入門用としてもおすすめの品種です。
小型ながらも姿は乱れにくく、一鉢で存在感を放つ名品です。

【出典】豊明園

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明治末期から人気を誇る珠光は、小型で端正な姿を持つおもとです。
鋭い葉先と、葉の表面の立体感に富む隆起が特徴で、肉厚の葉が緻密に整い、乱れにくい葉芸を見せてくれます。
強健な性質で、普通に教科書どおりに光をあて施肥を行えば丈夫に育つため、初心者でも楽しめる品種です。
小型ながらもきりりとした魅力があり、明治末期から親しまれてきた名品です。

【出典】豊明園

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「千代田の松」は、中葉種の代表的な品種。
葉はやや肉薄ながらも長めで幅があり、千代田斑と呼ばれる、この種ならではの独特な斑が葉全体に現れます。
古くから多くの愛好家に親しまれ、安定した柄と端正な姿が魅力で、上品で落ち着いた雰囲気は国内外で注目を集めています。
「千代田」「松」という縁起のよい名を持ち、お正月飾りにもぴったりなおもとです。
とても丈夫な品種なので、初心者にもおすすめです。

【出典】豊明園

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福の光は、波打つ葉縁とふっくらとした葉姿が魅力の中葉種おもとです。
中心から外側へと昇る白い曙柄が際立ち、縁起のよい品種としてお祝いごとにもよく用いられます。
性質はたいへん強健で、繁殖の際には親株としても優秀です。
採光や施肥を適切に管理すれば、曙柄がいっそう鮮明に現れます。
置き場所や光量によって柄の出方や葉姿が変化するため、日照管理のコツをつかんでいる中級者以上の方に特におすすめです。

【出典】豊明園

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外輪山は大葉種の代表的なおもとで、幅広の葉は鳳凰のように立ち、先端が尖った堂々とした姿が特徴です。
白黄色の覆輪の中に黄金色の曙が美しく現れ、赤い実とのコントラストも鮮やかで、お正月の鑑賞にもぴったりです。
性質は強健で育てやすく、初心者や交配にも適した万能品種です。
堂々とした葉姿は贈答にも喜ばれ、引越しおもととしても大人気です。

【出典】豊明園

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秋津島は立ち葉で葉幅が広く、葉先が尖り厚みのある葉が特徴の大葉種おもとです。
乳白色の覆輪と白黄色の縞柄が鮮明に現れ、美しい葉姿を楽しめます。
性質は強健なため、普通の管理で十分に育てることができ、実付きもよいため交配する際の親株としても人気の品種です。
また、池坊など伝統ある生け花の世界でも重用されるおもととして知られています。
どことなく、サンセベリアの葉にも似ていますね。

【出典】豊明園

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天錦章は江戸時代から続く「日月星(じつげつせい)」という品種から生まれた変種で、葉全体に黄味を帯びた縞柄が現れるのが特徴です。
葉は「桶葉」と呼ばれる巻いたような見た目で、首元がほっそりとした女性的な印象の葉姿を見せます。
縞柄は変化しやすく、時には柄が派手になったり、元の日月星に近い落ち着いた柄に戻ることもあります。
性質はやや弱めで芋が柔らかいため、施肥は控えめに管理します。
採光は普通で大丈夫です。
濃緑色の葉に深い覆輪と縞柄が現れ、子上げも良く、観賞しながら管理を楽しめる品種です。

【出典】豊明園

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青海波は、細葉の中に雅糸竜と呼ばれるひだが現れる葉芸が特徴で、乳白色の深い覆輪が葉先まで美しく広がります。
性質は強健で育てやすく、採光、肥料、ともにやや強めに管理すると葉芸もよく現れます。
鉢を小さめにすると葉芸が特に引き立ち、子上げも良好で観賞を楽しみながら育てられる品種です。
青海波、という名前もどこか清々しくて、自分で育てるのもよいですが、新しい旅立ちに贈ってみるのもよいですね。

【出典】豊明園

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鉢選びにおける重要なポイントは、「水分の蒸散性が高い素材」であること。
特に素焼き鉢は、その素材自体が高い蒸散性があるため、昨今の猛暑下では特におすすめです。
また、おもとの根は活発に呼吸するため、適度な「湿り→乾き」のサイクルが保たれる環境を好みます。プラスチック製の鉢を使う場合は、鉢底の穴が大きく、しっかり通気性が確保されているタイプを選びましょう。
陶製の鉢は、陶器それ自体は蒸散性の高い素材なのですが、表面に釉薬が塗られていると蒸散能力はプラスチックに等しくなるため、鉢底穴がしっかりと大きく開いているかが重要となります。

記事協力

日本おもと協会

日本おもと協会

URLhttps://www.omoto-jp.org
MAIL:
info@omoto-jp.org ———————————————————— 万年青の豊明園
URL:https://houmeien.co.jp/ お問い合わせ:https://houmeien.co.jp/ec/contact
愛知県岡崎市羽根町鰻池165
電話番号:0564-51-4714
FAX番号:0564-55-1706
営業時間:11:00~15:00(不定休) ———————————————————— 春光園
URL:https://syunkouen.ocnk.net/ MAIL:itakoomoto@gmail.com
茨城県潮来市日の出2-7-2
電話番号:090-4128-9634
FAX番号:0299-66-2655
営業時間:8:00~17:00(定休日無し)
———————————————————— 田哲園 URL:https://www.omoto.net/pg331.html
MAIL:shop@omoto.net
長野県長野市赤沼188
電話番号:026-251-3001
FAX番号:026-251-3002
営業時間:平日9:00~17:00(木曜定休日) Credit 文&写真(クレジット記載以外) / ガーデンストーリー編集部

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