いつまでも輝く女性に ranune
「あおり運転をしてきた60代男性」を反射的に“殴ってしまった”男性の後悔。“加害者”として「懲役3年、執行猶予5年」に――大反響セレクション

「あおり運転をしてきた60代男性」を反射的に“殴ってしまった”男性の後悔。“加害者”として「懲役3年、執行猶予5年」に――大反響セレクション

◆取り調べで「相手の人は命が危ないかもしれない」と…

「相手が起き上がって襲ってくるかもしれない」と思い、即座に軽トラに乗って、少し離れた自分の畑にエスケープ。いつものように仕事をしはじめるつもりだったが、とても集中できるような精神状態ではなかった。

「畑をウロウロしながら何があったのか整理しようと思いました。『人を殺したかもしれない』わけで、頭が真っ白になりました」

妻に電話で事の次第を説明し、その後出頭した。警察署に着くと、すぐに取り調べが始まり、「思っているより重傷かもしれない」と聞かされた。

「取り調べ中に、傷病名がいくつも並んだ書類を見せられました。頭蓋骨骨折や、脳挫傷、くも膜下出血など、7~8項目並んでいて……。さらに刑事に『相手の人は命が危ないかもしれない。予断を許さない状況です』と告げられました。『こんな大怪我を負わせてしまっていたとは……』といたたまれない気持ちになりました。そして、『相手が重体なので、あなたを逮捕します』と……」

◆刑事が納得する答えを言うまで問答が続く

山中さんは、傷害事件の被疑者として22日間身柄を拘束される。取り調べは、出頭した当日から始まり、警察と検察で計7回行われた。担当した刑事は眼光鋭く、顔を斜めに向け、まるで心の中をのぞき込むかのように見つめてきた。

「取り調べは過酷でした。相手に向かって行った理由を聞かれたときに、『車を傷づけられる恐れがあったので、相手を車に近づけたくなかった』と言っても、『いや、そうじゃないはずだ』と言い返され。

結局、『怒っていたから(向かっていきました)』と答えるまで、何度もやり取りが続きました。正直に答えたつもりでも、刑事が納得する答えを言うまで問答が続いたことはほかにもあります。

取り調べの最後には、必ず『反省していますか?』と尋ねられるのですが、これも結構苦痛でした。どんどん自分が一方的に悪かったのだという気持ちになるのです。『人を殺してしまったかもしれない』と思い込んでいたので、バイアスがかかっていたのかもしれません」

初日の取り調べは朝の9時から始まり、真っ暗になるまで続いた。昼食はなく、夜になって出されたのは小さなコンビニ弁当だけだった。

「これがドラマで見た『刑事の締め上げ』かと思いました」


配信元: 日刊SPA!

提供元

プロフィール画像

日刊SPA!

日刊SPA!は、扶桑社から発行する週刊誌「週刊SPA!」が運営するニュースサイトです。雑誌との連動はもちろん、Webオリジナルの記事を毎日配信中です。ビジネスマンが気になる情報を網羅!エンタメ・ライフ・仕事・恋愛・お金・カーライフ…。ビジネスタイム、プライベートタイムで話したくなる話題が充実!

あなたにおすすめ