◆「むしろ今が最も危険!」台湾有事が高まっている理由

このニュースだけを見ると「台湾有事は遠のいた」と思いがちだ。しかし、中国に精通するジャーナリストの福島香織氏は「むしろ今が最も危険だ」と指摘する。
「大規模な軍事作戦は現状では不可能ですが、粛清の嵐は今後も続く可能性が高い。ただ、これほどの大粛清が行われた事実自体、習近平が10年かけて進めてきた軍改革、反腐敗キャンペーンが完全に失敗したことを意味します。つまり本人は、自らの無能や軍の機能不全を自覚していない恐れがある。現場を知らない軍事素人の文民指導者こそ、誤った判断で台湾武力統一に踏み切るリスクが依然としてくすぶっています」
◆“台湾統一”を掲げているからこそ独裁が可能
米CIA(中央情報局)のバーンズ長官も、「習近平国家主席は“’27年までに台湾侵攻の準備を整えるよう”軍に指示した」と明言した。「習氏はかねてより“台湾統一”を掲げてきました。それもあり、現在のような権力維持が認められ、独裁を許されている。’27年に4期目を迎える習氏が今の体制をより盤石にするためには、いよいよ衝突は避けられないという見方は根強いのです」
軍の崩壊と指導者の焦りが重なるとき、台湾有事“Xデー”は訪れるか――。今はっきりとわかるのは日本も無傷でいられないということだ。

同研究所上席研究員。中国センター長。朝日新聞北京特派員などを経て現職。『サン!シャイン』(フジテレビ系)出演中

経済評論家。ベストセラー『本当はヤバい!韓国経済』(彩図社)ほか著書多数。YouTubeチャネル「三橋TV」は登録者83万人

エコノミスト。経営コンサルタント。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行などを経て独立。テレビやラジオなど多岐に活躍

産経新聞香港支局長、北京総局記者を経て独立。近著『新聞が語る中国の97%は噓である』(Hanada新書)ほか著書多数
取材・文/齋藤武宏 画像/時事通信フォト
―[もし台湾有事が起きれば…日本経済崩壊シナリオ]―

