◆アメリカを見ると、日本の“これから”が透けて見える
アメリカの“限界”というと、派手な事件や政治的な対立を想像しがちだが、しかし本当の変化は、もっと静かで、日常の中でじわじわと蝕んでいる。理由の見えにくさ、説明の不足、強い声だけが届く環境。納得しないまま物事が進んでいく社会。アメリカはその“ズレ”が限界まで積み重なった国だと捉えると、日本のいまにも同じ影がゆっくりと伸びていることが見えてくる。トランプやイーロンを“遠い国の特異な人物”として眺めるのではなく、日本のこれからを考えるための鏡として捉える。その視点を与えてくれる一冊だ。【久保内信行】
株式会社タブロイド代表取締役。週刊誌、月刊誌のライターを経て、現在はインターネット関連の編集、コンサルティング、運営を手がける。デジタルジャーナリストとして、デジタル分野を中心に現代社会の事象について多角的な視点から評論を行う。著書多数。12月18日に新刊『アメリカ合理主義の限界』を発売

