3. 自治体独自の助成制度
介護保険の住宅改修に加えて、多くの自治体が独自の助成制度を設けています。
3-1.助成制度の内容例
多くの自治体が設けているのが、次のような助成制度です。
住宅改修費(リフォーム費用)の助成
高齢者向け住宅改修費の助成
省エネ・エコリフォーム補助金
近居、同居支援事業
自宅のバリアフリー化を目的とした制度もあれば、住宅の省エネ化や近居・同居などの要件を満たすことで利用できる制度もあります。
よくみられるのが、住宅の省エネ性を高める工事と同時に行えば、介護リフォームも補助申請ができる制度ですが、要件や補助額は自治体ごとにさまざま。事前確認が不可欠です。
3-2.補助金情報収集の方法
自治体独自の助成制度を利用するには、情報収集が大切です。
次のような方法で、自分たちの地域の助成制度について調べてみましょう。
市区町村のウェブサイトを見る
補助金検索サイトで調べる
検索エンジンで「介護リフォーム 補助金」と入力して調べる
市区町村役場の窓口で相談する
リフォーム会社に相談する
すぐに情報を調べたいときには、市区町村のウェブサイトや『地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト』、検索エンジンで調べるのがおすすめです。
インターネットを利用すれば、さまざまな補助金・助成制度を一覧で調べられます。
ただし、ウェブには古い情報も紛れ込んでいるので、必ず最新情報をチェックしてください。
もっとも確実なのは、市区町村窓口への相談です。
リフォームの補助金は、建築課や都市整備課などが担当になっていることが多いので、直接足を運ぶか、電話で問い合わせをしてみてください。
リフォームの計画とあわせて確認したいときには、リフォーム会社に相談するとよいでしょう。
3-3.主要自治体の例
自治体独自の助成制度は、名称や制度内容、補助額はそれぞれ異なります。
お住まいの地域と同じ内容だとは限りませんが、参考程度に一例を見てみましょう。
障害がある人や、要介護・要支援認定を受けた人を対象に、住宅改修費用が補助される制度です。
| 内容 | |
|---|---|
| 対象者 | ・身体障害者手帳の肢体または視覚障害の1級から3級の人 ・身体障害者手帳の内部障害の障害の程度が1から2級の人 ・介護保険の要支援、要介護の認定を受けた人 など |
| 支援限度額 |
介護保険の要支援、要介護の認定を受けた人:60万円 |
| 対象改修工事 | 居室や浴室、トイレなどの日常生活における困りごとを軽減し、安全性を確保するためのリフォーム |
名称には『障害者』とのみ記載されていますが、要介護・要支援認定者も対象です。
このように自治体独自の助成制度で多いのは、“障害のある方を対象にした補助金”ですが、要支援・要介護を受けた人も対象になる制度もあります。
高齢者や介護だけに絞らず、住宅改修費用の補助金を全体的に目を通してみてくてださい。
高齢者の自宅での転倒リスクを防ぐために、住宅改修費用を助成する制度です。
要介護・要支援認定の有無にかかわらず、市内に居住する65歳以上の人が対象になります。
| 内容 | |
|---|---|
| 対象者 | ・市内に居住する65歳以上の高齢者 ・さいたま市に1年以上居住している人 ・『生活機能チェック』において、身体機能の低下に よる要介護状態等となる恐れが高いと判定された人 など |
| 支援限度額 |
・介護保険料第1~2段階:上限15万円(対象経費相当額) ・介護保険料第3段階以上:上限10万円(対象経費の2/3) |
| 対象改修工事 | 手すりの設置、段差の解消、滑りにくい床材への交換、 扉の交換、和式から洋式便器への交換 |
介護保険は要介護・要支援認定が必須ですが、自治体独自の助成制度は対象者とその範囲が広いものも多くあります。「要介護・要支援認定がないから」と諦めず、まずは自治体窓口や地域のリフォーム会社に相談してみるとよいでしょう。
【介護保険と市区町村の助成金制度の併用はできる?】
補助金制度は、併用できる制度とできない制度があります。
併用できるのは、対象工事が異なる、あるいは介護保険の上限を超えた部分について補助が出る制度などです。
ただし、同一工事での二重申請は不可の場合がほとんど。手すりの設置に介護保険を使うなら、自治体独自の助成金は対象外になります。
制度の併用を希望するなら、必ず事前に確認しておきましょう。
4. 介護リフォームで使える国の補助金制度
子育てグリーン住宅支援事業のように住宅の省エネ化を向上させる工事と組み合わせることで、国の補助金制度を利用できる場合があります。
介護リフォーム単体では申請できませんが、対象となる工事を一緒に実施すると、支給の対象になる可能性があります。
ただし、自治体の助成制度と同様に、介護保険と同じ箇所で重複して補助を受けられない点には注意が必要です。
【国の補助金制度は年度ごとに変わる!】
国の補助金制度は年度替わりかつ、申請期限や予算が決まっており、予算に達すると申請自体ができなくなります。
2025年の補助金制度は申請期間と着工期間に間に合わない可能性が高いので、これからリフォームを計画する方は、2026年の制度を利用することになるでしょう。
子育てグリーン住宅支援事業の後継事業としては「みらいエコ住宅2026事業」が発表されています。詳細は後日公開となるので、最新情報をチェックしましょう。
▼参考記事
【2026年の情報も】2025年度子育てグリーン住宅支援事業でお得にリフォームする方法

