5.介護リフォームで使える減税制度
補助金制度とあわせて活用したいのが、税金面の優遇です。
直接的に費用を抑えられるわけではありませんが、控除や減税を受けることで、実質的に負担を減らせます。
5-1. 所得税減税制度
自宅をバリアフリーリフォームすると、所得税の税額控除が受けられる可能性があります。
| 内容 | |
|---|---|
| 対象者 | 1.50歳以上の人 2.要介護、または要支援認定を受けている人 3.障害のある人 4.上記2.3または65歳以上のいずれかに該当する親族と同居している人 |
| 控除上限額 | 20万円(対象工事限度額:200万円) |
| 対象改修工事 | 一定のバリアフリー改修 |
所得税の減税制度は住宅ローン減税(控除)との併用ができないので、リフォーム費用を現金払いした場合に利用しましょう。
5-2. 固定資産税の減税制度
固定資産税は、所有している土地や建物に対してかかる地方税です。
対象となるバリアフリー改修を行ったうえで市区町村窓口に申告書を提出すれば、翌年度分に限り、減税が受けられます。
| 内容 | |
|---|---|
| 対象者 | ・65歳以上の人 ・要介護、または要支援認定を受けている人 ・障害のある人 |
| 控除上限額 | 翌年度分の固定資産税から1/3が減税 |
| 対象改修工事 | 一定のバリアフリー改修 |
上記は要件の一部であり、他にも築年数や工事費用、床面積などの細かい決まりがあります。自分が対象になるのか知りたいときには、『リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)について』のページをご覧ください。
制度についてわかりやすくマンガ調でまとめられており、制度の適用可否や減税額(目安)をシミュレーションするページもあります。
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【2025年最新版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
6.事例で見る補助金を活用した介護リフォーム
介護リフォームをすれば、さまざまな補助金や減税制度が利用できるとわかりました。
ここでは、補助金制度を活用しながら行ったリフォーム事例を紹介します。
6-1.在来浴室からユニットバスにリフォーム
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出典:イズホーム
昔ながらの在来浴室を、ユニットバスへとリフォームした事例です。
寒さと滑りやすさが心配な床材や、手入れが大変なタイル、そして段差のある浴槽をすべて取り払い、断熱性が高いユニットバスへと交換しました。
浴室の広さを確保するためにオーダーサイズを選び、浴室の各所には、くぼみのあって握りやすい手すり(ディンプルタイプ)を採用。
安全性だけではなく、快適性も高める介護リフォームになりました。
| 建物 | 戸建住宅 |
|---|---|
| 費用 | 約100万円 |
| 築年数 | 47年 |
| 工期 | 4日程度 |
6-2.アプローチをバリアフリー化
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出典:山商リフォームサービス
足元が不安定だったアプローチを、リフォームした事例です。
つまづきやすい石板はすべて撤去し、通路幅を拡張したうえで上からタイルを施工しました。
タイルといえば滑りやすいイメージがありますが、この事例では、滑り止め機能が高く、万が一転倒したときにも怪我がしにくい端部がR加工の素材を採用。デザイン性と安全性を両立させています。
手すりも設置したので、歩行や車いすでの自走も安心です。
| 建物 | 戸建住宅 |
|---|---|
| 費用 | 52万円 |
| 築年数 | 25年 |
| 工期 | 1週間 |
6-3.和式から洋式トイレにリフォーム
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出典:山商リフォームサービス
老朽化した和式トイレを、洋式トイレへとリフォームした事例です。
リフォーム時には段差を解消しフラットにし、バリアフリーに。便器にはお手入れがしやすいタンクレストイレを選んだので、掃除の頻度を減らせます。
| 建物 | 戸建住宅 |
|---|---|
| 費用 | 52万円 |
| 工期 | 2日 |
6-4.玄関をバリアフリー化
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出典:山商リフォームサービス
介護が必要になった母親のために、賃貸スペースをリフォームして居室化した事例です。
玄関の間口が狭く段差もあったため、玄関ドアを間口の広い『親子ドア』へと交換し、車いすでも入りやすく、通行できる広さへと拡張。
段差を緩和したので、敷台を置けば車いすのまま室内へと入れます。
| 建物 | 戸建住宅 |
|---|---|
| 費用 | 約40万円 |
| 築年数 | 40年 |
| 工期 | 4日程度 |

