いつまでも輝く女性に ranune
北海道・千歳市「半導体バブルで街にやってきたのは、クマと半グレ」住民が治安の悪化を懸念…公園で大麻を吸う若者まで

北海道・千歳市「半導体バブルで街にやってきたのは、クマと半グレ」住民が治安の悪化を懸念…公園で大麻を吸う若者まで

◆関東から有名チェーンが進出で塗り替わる勢力図

[ラピダスの街]を狙う闇社会とクマ
[ラピダスの街]を狙う闇社会とクマ
繁華街に立つ「キャバクラビル」の建設予告看板。「この辺では、かなり大きな部類のビル。千歳の夜の風景が変わりそう」(地元の飲食店経営者)
 こうした背景もあってか、ラピダスの進出は、繁華街の勢力図にも影響を与えはじめている。

 幸町の飲み屋街のど真ん中にある広めの更地には「2026年竣工」と書かれたキャバクラビルの建設予定をアナウンスする立て看板が設置されており、そこには水商売の求人広告まで添えられている。

「関東に拠点を置くキャバクラグループが千歳に巨大なビルを建てるようで、古くから地元で水商売を営んでる人たちは戦々恐々としています。ここらは昔からリーズナブルな値段で飲めるスナックが中心だったのに、最近ではラピダス関連の事業者目当ての価格設定をする店も増えてきて、驚くほど高額な店も出てきた。キャバクラやガールズバーに始まり、今後は高級クラブなんかが増えていくのかもしれませんね。街が荒れていきそうで怖い。正直、それならススキノまで行って飲むわ、という感想しかない。電車なら30分の距離ですからね……」(前出・飲食店関係者)

◆11月だけで6件ものヒグマ目撃事例が勃発

[ラピダスの街]を狙う闇社会とクマ
クマの市街地侵入を防ぐ有刺鉄線を張る門崎氏。「境界を設け、人とクマが互いの生活圏に入らないように。棲み分けが大切」
 ラピダス特需に揺れる千歳で、住民をさらに悩ませる存在がクマだ。

 市のホームページには、11月だけですでに6件の目撃情報が寄せられており、中には住宅地の至近距離までクマが入り込むケースも出ている。しかも、凶暴性の高いヒグマ、だ。

 北海道のヒグマ研究をライフワークとする、北海道野生動物研究所所長の門崎允昭氏が語る。

「北海道全般に言えることですが、クマの主要な餌であるドングリ類が今年は不作。本能的に餌を探し回っており、その過程で人の生活圏に出てくる頻度が高くなっています。とはいえ、ラピダスが進出するエリアとクマの生息地は距離が離れており、危ないのは、外から来た人たちが不用意にクマの生息地に入ってしまうこと。特に風不死岳とその付近の山野はクマに襲われる等の事故が発生することも十分に考えられます。何百年もの間、アイヌの人たちはクマと共生をしてきました。その血を継ぐ者として、まずは我々も共生し続ける義務があると考えるべきであることを、道民として、日本人として、共通認識すべき。知識のない人たちがクマを過度に刺激しないことを切に願います」

 半グレたちが興味本位で自生した大麻を探しに行った挙げ句、クマに襲われる――そんなシナリオがつい浮かんでしまうが、現実にならないことを祈るばかりだ。

[ラピダスの街]を狙う闇社会とクマ
北海道野生動物研究所所長・門崎允昭氏
【北海道野生動物研究所所長・門崎允昭氏】
農学博士・獣医学修士。北海道のヒグマ研究をライフワークとし、50年以上のキャリアを誇る、この道の第一人者

取材・文/週刊SPA!編集部 写真提供/門崎允昭

―[[ラピダスの街]を狙う闇社会とクマ]―

配信元: 日刊SPA!

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