問題の根源には、MLBが提唱する「100球の球数制限」にあるのではないか。これのせいで弱々しい投手ばかりになってしまったと思われる。
そもそも先発投手が「100球」で降板すべきという根拠はなんだろうか? 実は野球解説者も明確に説明しない。
※本記事は、江本孟紀著『長嶋亡きあとの巨人軍』より適宜抜粋したものです。

◆100球に到達するから何なんですか?
「球数制限が故障者を減らしている」という意見もある。ならば、MLBで毎年のようにトミー・ジョン手術を受ける投手が存在するのは、なぜなのだろう。不思議で仕方がない。
私がラジオの解説を務めた際、あるアナウンサーに、「さあ100球を超えました。江本さんはどう見ていますか?」
という質問された。こうしたときは、だいたい次のように返す。
「100球を超えると、何かすごいことが起きるんですか?」
するとアナウンサーは、
「そろそろ限界なんじゃないかと思うのですが……」
と返してくるのだが、私は間髪を入れずに、
「100球でへばるようなピッチャーは、先発の役割なんか果たせませんよ」
こう断言するようにしているが、少しも間違っているとは思っていない。
◆新庄監督が日本ハムを躍進させた背景として考えられること
そもそも投手というのは、投げ込みや走り込みをこなし続けてこそスタミナがついてくる。「江本の発想は古い」と反論されそうだが、巨人に限らず12球団の先発投手を見渡してほしい。継投をよしとしているチームほど、下位に低迷している。先述したようにヤクルト、ロッテの順位を見れば一目瞭然だ。
反対に、この2年の間で躍進した日本ハムを見てほしい。伊藤大海、北山亘基、加藤貴之ら、先発投手の完投能力が上がっていくにつれ、チーム成績も向上していった。日本ハムは2019年から3年連続で5位、新庄剛志監督になってからは2年続けて最下位と低迷していた。だが、2024年、25年はチームをAクラスに躍進させ、優勝争いを演じるまでのチームに変貌を遂げた。
その要因として、先発投手の充実が挙げられる。長いイニングを任されることによって、後ろを投げる投手の負担を減らし、チームにいい流れをもたらしている事実は見逃せない。

