「女性専用車両なのに…」満員電車で痛感、“妊婦”がいても周囲はお構いなしの現実

「女性専用車両なのに…」満員電車で痛感、“妊婦”がいても周囲はお構いなしの現実

◆“女性専用車両”で目の当たりにした押し合い

 

女性専用車
 田中唯さん(仮名・30代)は、毎日電車で通勤していた。

 通勤、帰宅ラッシュは日常で、「男性と体が触れるのはイヤ」と感じていたため、田中さんは常に“女性専用車両”を利用していた。

 最悪なことは、電車が何かしらの理由で遅延した日だったという。

「ホームは人で溢れ、満員の車両に押し込まれます。“潰れるんじゃないか”って思うほどでした」

 田中さんの目の前には妊婦が立っていた。

◆妊婦を押す乗客…赤ちゃんを守ろうとして踏ん張った


 妊婦はリュックに“マタニティーマーク”をつけ、体を横にして必死にスペースを確保していたそうだ。それでも周囲は誰も声をかけなかった。

「私は、“この人だけは押さない!”って決めて、壁になりました。足に力を入れて踏ん張って、後ろからの圧を全部止める感じでした」

 しかし、問題は妊婦の真正面にいた40代くらいの女性だった。

「睨みながら押すんです。“邪魔よ”って態度で、仕方なく押される感じじゃなくて、悪意がある押し方でした」

 田中さんは腕を伸ばし、妊婦のお腹の前に“バリケード”をつくったという。

「これ、“女性専用車両”ですよ。女性同士で妊婦に対してこんなにも冷たいのかと、ショックでした」

 また、会社や社会への怒りも同時に込み上げてきたようだ。

「そもそも“大きなお腹で満員電車に乗らないといけない状況”って、どうなんですかね……」

 田中さん自身が仕事を辞めて子どもを産んだ今でも、あの日の光景は忘れられないという。

「女性専用車両は、“女性同士だから助け合える”場所じゃなく、ただ“同じ性別の人”がいるだけでした」

 電車では個人のマナーが大いに問われる。だが、不快に感じても声をあげにくい空気があるのは事実だ。自分の何気ない行動が周囲の迷惑になっていないか、あらためて意識する必要があるだろう。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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